研究課題/領域番号 |
02454135
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
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研究分担者 |
山形 要人 大阪大学, 医学部, 助手
大杉 武 大阪大学, 医学部, 助手 (50176880)
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キーワード | ビジニン / 視細胞 / カルシウム結合蛋白 / 錐体細胞 / 網膜 / 松果体 |
研究概要 |
Visininは、網膜の錐体細胞に特異的な24kDaの蛋白質として、1985年に我々が見いだしたものである。今回は、その遺伝子クロ-ニングとその機能を調べ、次の結果を得た。 1.Visininポリクロナル抗体を用いて、ニワトリ胚網膜より作製したλgtllcDNAライブラリ-をスクリ-ニングした。得られたクロ-ン(λvis25)の解析より、visininは192アミノ酸からなり、calmodulinやtroponin Cとホモロジ-をもつ新しいカルシウム結合蛋白質であることが明かとなった。 2.エピト-プ選択法により、特異的なvisinin抗体を調整し、westernブロットを行ったところ、網膜以外の組織にはvisininは検出されなかった。免疫組織化学より、visininは網膜の錐体細胞および松果体の視細胞様細胞にのみ存在した。 3.Visinin cDNAを発現ベクタ-に組み込み大腸菌に発現させたところ、発現した蛋白質はカルシウム結合活性を示した。 3.松果体にもvisininが存在し、そのvisinin mRNAのサイズは網膜のものとほぼ同じであった。ふ化直後のニワトリ松果体を明暗下で4日間培養し、visininの発現を調べたところ、暗所に比べて明所ではvisininが著明に誘導された。 4.以上のことより、visininはカルシウムイオンを介する錐体細胞の光応答に関与している可能性が示唆された。
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