研究概要 |
アフリカツメガエル卵母細胞を用いた発現クロ-ニングで,モルモット肺のPAF受容体をクロ-ン化した。このクロ-ン断片を用いてヒト白血より同受容体を単離した。両受容体はいずれもアミノ酸342個からなり、細胞膜を7回貫通するGタンパク共役型受容体であることが明かとなった。細胞質第三ル-プは30個の極めて短かいペプチドからなり、脂質性メディエ-タ-に共通の特性と考えられた。PAF受容体は、白血球、好酸球,心筋などの分化と共に発現してくるため,プロモ-タ-領域を含むゲノム構造の解析を進めている。 同じ生理活性脂質のグル-プであるロイコトリエンについては,アフリカツメガエル卵母細胞発現系,COS細胞でのIP_3産生,さらに放射性リガンドを用いた結合実験等でその受溶体単離を進めている。ロイコトリエンは、好中球,好酸球,平滑筋細胞等に受溶体を持ち、ホスホリパ-ゼCの活性化,アデニレ-トシクラ-ゼの抑制,さらにホスホリパ-ゼA_2の活性化によるアラキドン酸遊離等の多彩な細胞内情報伝達系を持つが,細胞により,またこれらIフェクタ-の種類により異なる種のGータンパク質と共約していることが明らかとなった。すでにモルモット肺より3種のGータンパク質cDNAのクロ-ニングをしており、今後、受容体(クロ-ン化した物及び内因性のもの)ーGータンパク質ーIフェクタ-のカップリングについて再構成実験を進めてゆく予定である。ロイコトリエン受容体cDNA単離が緊急の課題である。
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