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1991 年度 実績報告書

遺伝子発現制御因子のリン酸化による機能調節

研究課題

研究課題/領域番号 02454149
研究機関理化学研究所

研究代表者

石井 俊輔  理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)

キーワード転写制御因子 / リン酸化 / Aキナ-ゼ / Cキナ-ゼ
研究概要

私達がcDNAクロ-ニングにより同定したCRE(cAMP response element)結合蛋白質CREーBP1のリン酸化部位と機能ドメインの関連を解析した。まずCREーBP1のcDNAに一連の欠失変異、点変異を導入し、CREーBP1変異体の発現ベクタ-を作製した。これらの発現ベクタ-をCREを持つCATレポ-タ-プラスミドと共に培養細胞にトランスフェクション法で導入し、発現されるCREーBP1変異体の転写活性化能を解析した。その結果、正常CREーBP1はCREを介して転写を活性化する能力を持つこと、転写活性化のためにはN末端付近のメタルフィンガ-構造を含む転写活性化ドメインとC末端付近の塩基性アミノ酸クラスタ-とロイシンジッパ-構造からなるDNA結合ドメインが必要であることが明かとなった。次にcDNAを用いて大腸菌で発現させたCREーBP1を基質としてAキナ-ゼ、Cキナ-ゼによるリン酸化をin vitroで解析した。その結果、CREーBP1は両キナ-ゼで効率良くリン酸化されることが示された。さらにそのリン酸化部位を決定したところ、Aキナ-ゼは転写活性化ドメイン内の62番目のSer残基を、またCキナ-ゼはDNA結合ドメイン内の340,367番目の2つのSer残基をリン酸化することが明かとなった。このように機能上重要な部位がリン酸化されることが明かとなり、りン酸化による機能制御が強く示唆された。
また転写制御因子として機能する核内がん遺伝子産物Mybのリン酸化と転写制御能の関連を解析した。Mybの11,12番目のSer残基はカゼインキナ-ゼIIにより効率良くリン酸化されるので、この部位をAlaに変えた変異体の転写活性化能を解析したところ、約50〜100%の上昇が見られた。今後いろいろな条件下でさらに検討することが必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsuda Shinji: "identification of the functional domains of the transcriptional regulator CRE-BP1" J.Biol.Chem.266. 18188-18193 (1991)

  • [文献書誌] Zu You-Li: "Complete putative metal finger and leucine zipper strctures of CRE-BP1 are required for the E1A-induced trans-activation." J.Biol.Chem.266. 24134-24139 (1991)

  • [文献書誌] Sakurai Atushi: "Phosphorylation of cAMP response element-binding protein,CRE-BP1,by cAMP-dependent protein kinase and protein kinase C." Biochem.Biophys.Res.Commun.181. 629-635 (1991)

  • [文献書誌] Kanei-Ishii Chie: "Transactivation and transformation by Myb are negatively regulated by a leucine zipper structure" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89. (1992)

  • [文献書誌] Ogata Kazuhiro: "Solution structure of a DNA-binding unit of Myb:a helix-turn-helix-related motif with conserved tryptophans forming a hydrophobic core." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89. (1992)

  • [文献書誌] Ramsay Robert G.: "Interaction of the Myb protein with specific DNA binding sites." J.Biol.Chem.227. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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