研究課題/領域番号 |
02454152
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊池 九二三 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (20006117)
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研究分担者 |
水野 佑亮 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (00002121)
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キーワード | プロテインホスファタ-ゼ / MRL / lprマウス / T細胞 / B細胞 / PP1 / PP2A / PP2C / 情報伝達 |
研究概要 |
免疫担当細胞の情報伝達におけるプロテインホスファタ-ゼの役割を明らかにする目的で、前年度にすでに、免疫担当臓器粗抽出液での本酵素の3分子種PP1、PP2A、PP2Cの分別活性定量法を確立し、これを用いて自己免疫疾患モデルマウス(Lprマウス)における活性を測定し、病態変異を解析した。そこで本年度は、組織レベルでの測定法を微量化して免疫担当細胞レベルでの本酵素の測定法を開発し、これを用いて脾臓、胸腺、リンパ節から調製した免疫担当細胞T、B、M_φについて活性の分別定量を行ない、本酵素の細胞レベルでの病態変異を検討して組織レベルでの変異の意義の解明につとめた。その結果、T、B、M_φのいずれの免疫担当細胞においても、PP1の不活性型として存在する割合がlprマウスで増大していることが明らかとなり、組織レベルでの結果と一致した。このPP1の活性型/不活性型比が、LPSで刺激したマクロファ-ジやILー刺激を受けたT細胞などでも変動することが明らかとなった。すなわち、PP1の活性型/不活性型比が、種々の免疫刺激に応答して変動する可能性が示唆された。lprマウスにおけるこの病態変異は、本疾患における免疫担当細胞の情報伝達の異状と何らかの関連があるものと考えられる。PP2C活性では著変はなく、PP2Aでは、組織レベルでみられた明らかな活性上昇が細胞レベルではみられず、その理由をなお追求している。一方、免疫応答における本酵素の役割を遺伝子発現の側面から解析するため、PP1、PP2A、PP2CのcDNAを用いてノザンブロット解析を行い、本酵素遺伝子が細胞増殖や細胞周期などによって変動することを明らかにした。現在免疫応答系について検索を進めている。
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