研究課題/領域番号 |
02454162
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
牛込 新一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70081643)
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研究分担者 |
家本 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50212725)
浅沼 和生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50159373)
下田 忠和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70119808)
栗岡 晋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70056646)
田中 貢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056513)
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キーワード | 非コラ-ゲン蛋白 / オステオカルシン / 骨病変 / 骨形成 / 骨形成性腫瘍 |
研究概要 |
オステオカルシン(Bone Glaーprotein,BGP)の各種抗体を用いて、自然流産によって得られた胎児(胎令8〜12週),多指症、非腫瘍性骨形成性病変(仮骨、化骨性筋炎など)、骨形成性腫瘍(骨芽細胞腫、骨肉腫、軟部骨肉腫など)を中心に、ABC法にて検索した。主にBGP proーpcptide のポリクロナ-ル抗体を用いた結果について報告する。(結果)1.骨細胞、骨芽細胞は胞体内に顆粒状に陽性であった。2.(類)骨マトリックス,軟骨マトリックスは陰性であった。3.胎児骨組織では、活動性の骨芽細胞ばかりでなく、骨組織に近接する未分化間葉骨胞の中にも陽性となる骨胞が観察された。4.骨幹部の外骨膜内層の線維芽細胞様細胞にも陽性であった。5.関節軟骨は全層にわたり軟骨細胞は陰性であったが、胎生期にみられる軟骨島の軟骨膜細胞、軟骨芽細胞は陽性であった。6.仮骨や化骨性筋炎などでも、活動性の骨芽細胞は強い陽性反応を示したが、軟骨芽細胞の一部や前骨芽細胞に相当する細胞にも陽性となるものがみられた。7.BGPの陽性度と石灰沈着との関係は見い出しがたかった。8.骨形成性腫瘍の場合には、腫瘍細胞がBGP陽性を示す例が少なからずあったが、(類)骨マトリックスの形成が目立つ例(ostcoblastic type)では陽性となり易く、fibroblastic typeや悪性線維性組織球腫と鑑別を要する骨肉腫ではostcoblastic typeに比べて陽性像は弱く、結果の評価には注意を要する。しかし、単純な膠原線維と腫瘍性類骨との区別に役立つものと思われた。以上から、骨組織の形成に関与する細胞は、BGPが常に陽性なのに対して、軟骨形成の場合は極く初期にのみ陽性であることが判明した。オステオネクチンの精製と抗体作成は、進行中であり、特異性の高い抗体が得られれば、BGPと対比することにより、その生物学的作用を解明する予定である。
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