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1990 年度 実績報告書

疾患発症に内因として関与するHLAクラスII遺伝子とその発症への役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 02454165
研究機関旭川医科大学

研究代表者

片桐 一  旭川医科大学, 医学部, 教授 (10041823)

研究分担者 河端 薫雄  旭川医科大学, 医学部, 助手 (50195129)
三代川 斉之  旭川医科大学, 医学部, 講師 (20182058)
キーワードHLA遺伝子 / HLAクラスII遺伝子 / 疾患感受性 / IDDM / 白樺花粉症
研究概要

疾患発症の内因の一つであるHLA遺伝子群に着目して、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)と白樺花粉症の発症に関与するHLAクラスII遺伝子とその産物を解析するとともに、MHCクラスII抗原の発現増強機構を解析した。
1.日本人IDDM患者由来の細胞及びIDDMと強い相関を有するHLAーDQw4ホモ接合体細胞から、DQw9及びDQw4に対応するゲノム遺伝子を分離し、その全塩基配列を決定した。又IDDM患者11名の遺伝子DNAを鋳型にして、PCR法でDQA,DQB及びDRB遺伝子の第2エクソン部分を増幅、分離し、全てのDQBと一部のDQA,DRBの塩基配列を決定した。その結果、患者のDQB塩基配列と健康人のIDDM感受性ハプロタイプのDQB塩基配列の間には、差異は認められなかった。そして検討した全ての例で、DQ抗原β鎖の57番目のアミノ酸は、白人ではIDDM抵抗性に属するアスパラギン酸であった。日本人IDDMの発症に関与するアミノ酸配列を特定するべく、さらにDQA,DRBについて解析している。
2.IDDMを含む自己免疫疾患では、標的細胞にクラスII分子の異所性の発現がみられ、その発症への関与が示唆されている。クラスII分子の発現増強の機構をB細胞を用いて検討した。ILー4はクラスII分子の発現を増強する。そしてHLAーDR分子は、CD23分子と密接して発現が増強した。更にILー4によるクラスII分子の発現増強には、細胞内Caイオンの移動が関与していることが明らかになった。
3.白樺花粉症の発症は、HLAーDQw9及びDR9と強い相関を有していた。これらのいずれが発症に関与しているかを明らかにするために、白樺抗原に対するT細胞増殖反応系を確立した。この反応は、抗DR抗体で阻止されたが、抗DQ抗原で阻止されなかった。この結果、患者T細胞の増殖にはDR分子が関与している可能性があり、さらにDR及びDQ遺伝子導入L細胞、トランスジェニックマウスを用いて解析を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高橋 英俊: "日本人IDDMと相関するHLAーDQB遺伝子のDNA塩基配列についての検討" 北海道医学雜誌. 65. 412-418 (1990)

  • [文献書誌] 久保 孝市: "ILー4によるHLAクラスII抗原およびCD23抗原の発現増強の解析" 移植. 25. 516-524 (1990)

  • [文献書誌] 三代川 斉之: "HLAクラスII遺伝子と日本人のインスリン依存性糖尿病" 代謝(27巻増刊号「免疫'90」. 27巻12目増刊号. 163-173 (1990)

  • [文献書誌] M.Kumai: "Association between HLA Antigens and Birch Pollen Allergy in Japanese Subjects." Am.J.Rhinology. 4. 19-23 (1990)

  • [文献書誌] T.Ashida: "Signal Transduction Mechanisms of Ia Induction in B Cells by Interleukin 4 and Immunoglobulin Receptors." Cellular Immunology. 126. 233-238 (1990)

  • [文献書誌] 安達 俊秀: "シラカバ花粉症発症に関与するHLAクラスII抗原の解析" 日本耳鼻咽喉科学会会報.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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