ヒョウヒダニの大量培養を行い、粗抗原を作製し、ゲル濾過法により分画を採取した。兎で抗血清を作製し酵素抗体法阻止法を確立して抗原を測定できる様にした。環境中のダニ抗原量を測定し屋内ではヒョウヒダニが重要である事を調査した。 アレルギ-鼻炎患者の血液からヒョウヒダニに反応するT細胞株を樹立した。その中からマイクロマニュプレ-ション法でクロ-ン株も樹立し、これらの性状を検討した。細胞表面マ-カ-の検査を行った。ダニ抗原の分子量分画に対しての反応はパタ-ンとして5つのタイプに分けられた。粗抗原に反応し、45ー53KDに反応のピ-クを示すものが多かった。T細胞応答を誘導するダニ抗原決定基には多様があり、必ずしも主要アレルゲンとされている27KD、15KD辺に多くはなかった。T細胞クロ-ンのサイトカイン産性能を調べた。1LーII産はクロ-ンの半数以上に認められた。1NFーγは調べたクロ-ンの3/4以上に認められた。1Lー4の産生についてもキットにより測定を試みている。以上を考察するとアレルギ-推進的T細胞とアレルギ-抑制的T細胞に分けられると考えられた。ダニに次いで重要と提唱されている昆虫のユスリカとの間のT細胞からみた関係は、アレルギ-患者のT細胞クロ-ンでは一部に交叉反応する株があった。交叉反応性クロ-ンは45ー53KD分画に反応した。次年度ではTーWestern法を確立し、Tー細胞認識エピト-プについてより詳しく解析を行ってみたい。
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