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1991 年度 実績報告書

大腸菌の付着・定着過程における宿主ー寄生体相互作用の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 02454178
研究機関岡山大学

研究代表者

金政 泰弘  岡山大学, 医学部, 教授 (80033059)

研究分担者 友近 健一  岡山大学, 医学部, 講師 (00093691)
保田 立二  岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
キーワードレセプタ- / 付着 / 定着 / 大腸菌 / リポソ-ム / 蛍光分析
研究概要

組織細胞は細菌の非特異的侵襲を阻止する各種の細胞表層構造物を保有しているが,細菌はこれらの障壁を特異的なリガンド-レセプタ-相互作用により突破して定着を成し遂げる。本研究課題では,細菌の宿主細胞への付着・定着過程を細菌側のリガンド(線毛)宿主側のレセプタ-の両面から解析を加える事を目的として研究を遂行してきた。本年度は,単一のタイプ1線毛レセプタ-糖鎖を含有するリポソ-ムまたはラテックスを用いて,タイプ線毛の認識する最適レセプタ-構造に解析を加えた。その結果,ダイマンノ-ス構造が良好なレセプタ-となる事が明らかになると共に,Man(1ー2)Manの認識において疎水基を有するpNPーManに対する親和性で2群に,Man(1ー3)Manの認識においてはマンノ-スに対する親和性で2群に分類された。この事は,タイプ1線毛リガンドが少なくとも4種存在する事が明らかになった。また,Man(1ー3)Manの認識においては,大腸菌の分離疾患間でもタイプ1線毛リガンドの差が認められた。一方,宿主細胞,特に正常マウス膀胱に注入されたタイプ1線毛保有大腸菌は,レセプタ-糖鎖が膀胱上皮最外層の細胞に存在するにもかかわらず菌の付着を起こさなかった。しかし,この最外層の細胞をトリプシン処理により除去する事により,タイプ1線毛保有大腸菌の膀胱付着・定着が成立し,膀胱災の発症が明らかになった。このマウス膀胱災モデルを用いた解析から,膀胱上皮最外層の細胞には付着抵抗性を示す機構の存在が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Liao,J.: "Establishment of a mouse model of cystitis and roles of type1 fimbriated Escherichia coli in its pathogenesis" Microbiol.Immunol.36. 215-228 (1992)

  • [文献書誌] 小林 直樹: "タイプ1線毛保有菌におけるレセプタ-認識能の多様性" Bacterial Adherence研究会構演録. 5. (1991)

  • [文献書誌] 友近 健一: "各種動物血清に存在する抗タイプ1線毛抗体の諸性質" Bacterial Adherence研究会講演録. 5. (1991)

  • [文献書誌] 水落 次男: "糖蛋白質糖鎖由来オリゴ糖プロ-ブライブラリ-を用いた尿路感染症患者由来大腸菌の糖鎖特異的付着性の解析" Bacterial Adherence研究会講演録. 4. 36-43 (1990)

  • [文献書誌] Watarai,S.: "Inhibitory effect of liposome containing sulfatide or cholesterol sulfate on syncytium formation induced by bovine immunodeficiency virusーinfected cells." J.Biochemistry. 108. 507-509 (1990)

  • [文献書誌] Kimura,K.: "Location of membraneーbound hapten with different length spacers." Immunology. 69. 323-328 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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