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1991 年度 実績報告書

C型インフルエンザの分子疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454180
研究機関山形大学

研究代表者

中村 喜代人  山形大学, 医学部, 教授 (00125775)

研究分担者 菅原 勘悦  山形大学, 医学部, 教務職員 (60110673)
西村 秀一  山形大学, 医学部, 助手 (50172698)
北目 文郎  山形大学, 医学部, 助教授 (40004676)
キーワードC型インフルエンザウイルス / ヘムアグルチニン・エステラ-ゼ / 単クロ-ン抗体 / 抗原地図 / 中和エピト-プ
研究概要

C型ウイルスの抗原変異の性状と疫学的意義を理解するためには,同ウイルスの感染防御抗原であるヘムアグルチニン・エステラ-ゼ(HE)蛋白の抗原構造を詳細に把握する必要がある。我々は長期にわたりHE蛋白に対する単クロ-ン抗体の作製を試みた結果,あわせて37個の抗体を手にすることができた。本年度は,これらの抗体を用いてHE蛋白の抗原地図の完成に精力を注ぎ,下記の結論を得た。
1.37個の単クロ-ン抗体は,中和能や赤血球凝集阻止能を持つ10個の抗体(A群)とそれらの活性を欠く27個の抗体(B群)に分類された。A群の各抗体との反応性を欠く突然変異株を分離し,他の抗体との反応性を調べた結果,A群によって認識される抗原領域は,Aー1〜Aー4の4つに区分されることが明らかになった。さらにB群の抗体によるELISA競合試験の成績から,この群の抗体が5つの異なる抗原領域(Bー1〜Bー5)を認識していることが明らかになった。従ってHE分子上には,合計9個の抗原領域が存在するものと結論される。
2.中和エピト-プの位置付けを行う目的で,A群の抗体に抵抗性の18個の突然変異株についてHE遺伝子の塩基配列を決定し,アミノ酸置換部位を推定したところ,Aー2領域こそ367番めに位置していたが,Aー1,Aー3,Aー4領域に属するエピト-プのすべてが,178〜283番めの約100個のアミノ酸から成る領域に密集していることが明らかになった。興味深いことにこの領域は,分離株間のHE蛋白のアミノ酸配列の比較によって明らかにされた3つの可変領域の1つに一致していた。この事実は,178〜283番めの領域がHE蛋白の主要抗原領域であり,この領域に変異が生じると抗原性が大きく変化し,ヒトの世界で生き残り易くなることを示唆する。C型ウイルスの伝播に,抗原変異が重要な役割を果している可能性を示唆する。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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