研究課題/領域番号 |
02454188
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗林 景容 京都大学, 医学部, 助手 (10064578)
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研究分担者 |
渡部 好彦 京都大学, 薬学部, 助教授 (90109075)
山岸 秀夫 京都大学, 理学部, 助教授 (90025429)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 腫痛免疫 / CTL / TCR / idiotype / 体細胞突然変異 |
研究概要 |
フレンドウイルス誘発腫瘍FBLー3に対する同系B6マウスのCTL反応系では、抗TCR交差反応性イディオタイプモノクロ-ナル抗体N9ー127と反応性を有するCTLが高頻度に出現する。この抗体で認識されるイディオタイプ(127Id)陽性TCRは全てVα1Jα112ー2/Vβ10Dβ2.1Jβ2.7から成るα鎖β鎖から構成されていた。しかしV(D)J結合部領域の塩基配列は個々のクロ-ンで異なっていたものの、推定されるアミノ酸配列はよく保存されており、127Id陽性CTLクロ-ンはVβ鎖のN末より99番目のアミノ酸がグリシンかアスパラギン酸である2群に分類されることが判明した。前者に属するクロ-ンは後者に比較しより低能度(約1/25)のN9ー127抗体でその細胞障害活性が阻止された。 127Id陽性CTLクロ-ンのTCRVα鎖、Vβ鎖に体細胞突然変異がみられるか否かを、生殖細胞型Vα1、Vβ10を分離し比較した結果、解析した8クロ-ンに使用されているVβ10は生殖細胞型とまったく同一の塩基配列を示した。一方Vα1については、2クロ-ンでリ-ダ部位、CDR1ー3に相当する領域に塩基の置換が存在し、体細胞突然変異の存在する事が示唆された。 127Idを発現するCTLが生体内で実際にFBLー3腫瘍の拒絶に作用しているであろうことを、腫瘍塊浸潤リンパ球には127Id陽性CTLのα鎖、β鎖と同一のあるいは類似したTCR遺伝子が使用されている事をPCR法を用いて明らかにした。 この127Id陽性集団の他にも特定のTCRα鎖、β鎖から構成され、個体レベルでみた場合クロ-ナルに増殖し高頻度に発現するCTL集団があり、FBLー3に特異的なこのようなCTLがどのような腫瘍抗原を認識しているかについて解析中である。
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