研究課題/領域番号 |
02454195
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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研究分担者 |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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キーワード | 細胞間接着分子 / 細胞外マトリクス受容体 / T細胞活性化 / CD2 / インテグリン / LFAー1 / ICAMー1 / トレランス |
研究概要 |
(1)CD2陰性のNK細胞株にCD2を遺伝子移入により発現させると特定の標的細胞に対する細胞障害性が増強されるが、この時、細胞質内部を欠失した変異CD2ではこの増強が減弱することから、NK細胞の活性化におけるCD2を介したシグナルの重要性が示された。(2)CD2陰性のヘルパ-T細胞株にCD2を遺伝子移入により発現させると抗原特異的な反応性が増強されるが、この時、細胞質内部を欠失した変異CD2ではこの増強が大幅に減弱することから、抗原特異的なT細胞反応性の増強におけるCD2を介したシグナル伝達の重要性が示された。(3)CD2、LFAー1非依存性のLAKによる標的細胞障害にLAK細胞上のピトロネクチン受容体(VNP)と標的細胞上のフィブロネクチン(FN)との結合による細胞間接着が関与していることを明らかにした。また、ヘルパ-T細胞株あるいはキラ-T細胞株上のVNRを介したFN等の細胞外マトリクス(ECM)蛋白との結合は、T細胞受容体ーCD3複合体を介したT細胞活性化を強く増強するのみならず、抗原非依存性のT細胞活性化をも誘導しうることから、VNRインテグリンを介したシグナル伝達機序の存在が明らかとなった。(4)ラットのアジュバント関節炎誘導の際に抗ICAMー1抗体を投与すると発症が抑制されることから、LFAー1/ICAMー1相互作用の重要性が示された。(5)マウスの同種心移植片拒絶の系で、抗LFAIあるいは抗ICAMーI抗体の単純投与は生着期間を有意に延長するのみであったが、この両者を同時に投与すると全例に永久生着が認められ、トレランスが誘導された。このことは、LFAー1/ICAMー1相互作用が移植片拒絶反応において重要であることを示すだけではなく、種々の抗原に対する人為的な免疫寛容導入の可能性を示唆する。
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