研究概要 |
(1)IL2依存T細胞株のIL2反応性を抑制する抗体がCD8を認識することを明らかにし、さらに細胞質内部を欠失した変異体を遺伝子移入により発現させ、CD4,CD8はその細胞質内部に結合したp56^<1ck>の活性化を介してT細胞のIL-2反応性を調節することを示した。 (2)遺伝子工学的手法により作製したマウスCD2の細胞外部とヒトIgGFс部との融合蛋白を用い、マウスにおいてはCD48がCD2の主要なリガンドであることを明らかにした。また、同様な手法によりヒトにおいてもCD48がLFA-3以外の第2のCD2リガンドであることを示した。 (3)マウス及びラットの同種心移植の系で、抗LFA-1/ICAM-1抗体の投与によりアロ抗原特異的な寛容の導入が可能な事が明らかとなり、その機序としてクローン麻卑の関与が示唆された。 (4)同様な抗LFA-1/ICAM-1抗体の投与により、マウスコラーゲン関接炎の発症が抑制された。 (5)抗VLA-4/VCAM-1抗体、あるいは抗CD2/CD48抗体の投与によっても、マウス同種移植心に対する寛容の成立が認められた。 (6)抗VLA-4/VCAM-1抗体によりin vitroあるいはin vivoで赤血球系の分化が選択的に抑制されることが明らかになった。 (7)リウマチ患者の関接液中の単核球に認められる炎症性サイトカインの異常産生に、単核球上のβ1インテグリンを介した細胞外マトリクスとの接着が深く関与していることを示した。 (8)マウス及びラットVLA-5に対する抗体を作製し、血球系細胞の分化過程におけるその発現の変化を明らかにした。 (9)ラットVLA-4に対する抗体を作製し、炎症部位へのリンパ球、好酸球浸潤へのVLA-4の関与を明らかにした。 (10)VLA-4及びVLA-5を介したフィブロネクチンとの接着がマスト細胞の活性化に深く関与することを示した。 (11)コラーゲン、ラミニン受容体であるマウスVLA-1,VLA-2,VLA3,VLA-6に対する抗体を作製し、活性化T細胞上でのそれらの発現と機能を明らかにした。
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