研究分担者 |
徳久 剛史 神戸大学, 国際交流センター, 教授 (20134364)
水口 純一郎 国立予防衛生研究所, 体液性免疫部, 室長 (20150188)
大西 和夫 国立予防衛生研究所, 細胞免疫部, 研究員 (90169011)
木元 博史 国立予防衛生研究所, 細胞免疫部, 研究員 (20225080)
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研究概要 |
我々が単離した幼若B細胞特異的遺伝子の8HSー20は約730bpのイントロンを介在してleaderおよびexon1により構成され、exonl3'側約100bpの塩基配列はヒトおよびマウスVκ,VλのFRIII領域と30ー40%のhomologyを示す。またその全長はB細胞特異的VpreBー1遺伝子と約40%のhomologyを示した。cDNA塩基配列から予想されるアミノ酸配列から、8HSー20遺伝子はIg gene superfamilyに属することが示唆された。8HSー20遺伝子は前B細胞株および骨髄で顕著に約0.7Kbのサイズで発現し、また低レベルではあるが脾臓、IgM産生ハイブリド-マに同一サイズで発現されるものの他のB細胞株での発現は認められない。cDNA塩基配列により予想される8HSー20C末領域に対するウサギ抗血法を作製し免疫沈降を行なったところ、8HSー20遺伝子は分子量13.5,15.5KDa,PI4.7ー4.8および分子量14,16KDa PI4.1ー4.2の蛋白質をコ-ドすることが示唆され、さらにこれらの蛋白質は前B細胞μ鎖に結合することが示唆された。得られた抗体を用いPulse/chaseによる免疫沈降を行なうと、前B細胞株において8HSー20遺伝子産物はμ鎖産生直後に結合し、一方λ5,VpreBー1遺伝子産物はμ鎖産生後期に結合することが明らかにされ、この事は8HSー20遺伝子産物がμ鎖輸送初期に何らかの役割をはたすことを示唆した。また8HSー20遺伝子を組み込んだ2系統のトランスジェニックマウスを解析すると、約20匹中3匹のネズミ骨髄、脾臓においてCD45R陽性細胞数の減少が、15週令以上の10匹のネズミ中3匹にMacー1陽性細胞の著明な上昇が認められた。またILー7依存性in vitro B細胞産生の系において全例にCD45Rおよびμ鎖陽性細胞産生の遅延が認められ、8HSー20遺伝子産物の過剰発現によりB細胞μ鎖発現が抑制される可能性が示唆された。
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