研究課題/領域番号 |
02454199
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70047215)
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研究分担者 |
池本 真二 国立健康栄養研究所, 臨床栄養部, 研究員 (10176117)
山本 卓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00220476)
中山 健夫 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70217933)
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キーワード | アポB遺伝子多型 / アポA1-CIII遺伝子多型 / PCR(Polymerase chain reaction) |
研究概要 |
本研究の初年度から進めている集団検診受診者1,382名の遺伝子解析に関しては、本年度にアポA1-CIII遺伝子のMsp1多型の解析を行った。また、アポB遺伝子のVNTR(variable unmber of tandem repeats)多型の解析法の検討を行い、アイソトープを用いない解析方法を確立した。 アポA1-CIIIのMsp1多型の出現頻度は、白人で報告されているほどの偏りはなく(白人;S1:0.89/S2:0.11、日本人;M1:0.56/M2:0.44)、昨年報告したSst1多型の頻度と非常に近かった(S1:0.64/S2:0.36)。Genotype別の血清脂質レベルに関しては、TC、HDL-Cともに有意な差はみられなかった。しかし、TGについては、M1M1:130.0±79.8mg/d1、M1M2:131.6±89.7mg/d1、M2M2:143.7±92.9mg/d1とM2M2で有意に高いことがわかった。また、Sst1多型との組合せによるgenotype別の血清脂質レベルの検討から、S1S1M2M2タイプにTGが有意に高かった。 アポB VNTR多型の解析法に関して、これまではPCRによるVNTRの増幅に多くの難点があった。これは、VNTR部位が、AT richな類似配列であるため、一定以上の増幅度を超えると、本来のバンドの上下に繰り返しの長さの分だけ長さの異なるエキストラバンドが多数生じて、目的とするバンドの読取りが不可能になるためである。これは、江見らの報告によるBV139(5'-ATGGAAACGAAATTATGGAGG)と、Boerwinkleらの報告によるBV810(3'-CCTTCTCACTTGGCAAATAC)をプライマーとすることによって解消した。さらに、この多型の同定に関して、4.5%ポリアクリルアミドゲル、2%アガロースゲル、50%尿素(urea)を含む4%ポリアクリルアミドゲルの3種類のゲルで、VNTR多型の解析に最適な電気泳動条件を検討し、50%尿素(urea)を含む4%ポリアクリルアミドゲルが最も適していることを明らかにした。また、DNAの検出は、エチジウムブロマイド染色で行えることから、アイソトープを用いないで多型解析が可能である。
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