研究課題/領域番号 |
02454203
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上田 厚 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10040198)
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研究分担者 |
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70117472)
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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キーワード | 過敏性肺臓炎 / 職業性アレルギー / 疫学 / ケーススタディ / 動物モデル / 感作性予知 / 量ー反応関係 / 感作性試験 |
研究概要 |
(1)平成2-3年度に引き続き、農作目集団の作業関連アレルギー有訴状況に関するアンケート調査として、養鶏作業者138名について従来と同様の調査を実施した。その結果、養鶏作業者のアレルギー症状有訴率は55%と比較的高率であり、症状別には過敏性肺臓炎に関連する遅発型アレルギー発作の有訴率は男子8%、女子13%と他の作目集団に比して比較的高率であった。原因作業は鶏舎清掃、給餌で主であった。 (2)過敏性肺臓炎に関するケーススタディとして、ハウスメロン栽培者と露地サトイモ栽培者のアレルギー症状が、作目栽培に用いたワラなどに付着繁殖した真菌類(Asp.fumigatus)による過敏性肺臓炎を本態とするものであることをアレルギー学的に確認した。 (3)農作業環境中に存在する感作性物質を予知し、その量ー反応関係を明らかにするためのモデル実験系を開発した。まず、これに関する文献的考察を進め、最終的に、滝沢らの開発した試験物質の経鼻的注入法を採用し、OAを用いた予備実験によりその有用性を確かめ、ついで、畜産作業者の原因抗原として既に疫学的に推定したフサリウム属(真菌類)の過敏性肺臓炎(III型アレルギー)における感作性を実験的に検討し、このものが一定の感作性を有することを確かめた。 (4)本年度研究と文献的考察をあわせ、農作業における保健管理において、過敏性肺臓炎の本態と予防を解明することが極めて大きな意義を有するものであることを明らかにした。
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