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1990 年度 実績報告書

金属間相互作用による必須元素の細胞内変動機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 02454206
研究機関関西医科大学

研究代表者

徳永 力雄  関西医科大学, 医学部・衛生学, 教授 (40121959)

研究分担者 古川 高子  関西医科大学, 医学部・衛生学, 助手 (00221557)
竹谷 茂  関西医科大学, 医学部・衛生学, 講師 (20121949)
キーワードトランスフェリン鉄 / トランスフェリン受容体 / ヘムオキシゲナ-ゼ / 鉄結合蛋白質 / ヒ素 / セレン / 亜鉛 / アルミニウム
研究概要

1、生体内鉄代謝に対する各種金属の相互作用機構を明らかにする目的で、ヒト白血病細胞K562によるトランスフェリン鉄の取り込みに対する各種金属の影響を調べた。細胞を金属存在下で48時間培養(前処理)した後洗浄し、続いて ^<59>Fe標識トランスフェリンと共に1時間培養したところ、Co、Zn、Ni、Feで前処理した場合ならびにCo、Zn、Ni、Fe、Mnが共存した場合に ^<59>Feの取り込みが低下した。しかし、Al、As、Cr、Cd、Cu、Mo、Se、Srの場合は著変がなかった。トランスフェリン受容体量を抗ヒトトランスフェリン容受体抗体を用いたイムノブロット法で調べたところ、Feの場合は受容体量が低下したが、Co、Ni、Znでは低下しなかった。
2、Hela細胞をAs、Cd、ヘミンの存在下で培養すると、ストレス蛋白質の一種である32KDa蛋白質(ヘムオキシゲナ-ゼ)が誘導合成された。この誘導合成は亜セレン酸、セレノシスチンで強く、セレン酸で弱く抑制されたが、セレノメチオニン、亜鉛、マンガンでは全く抑制されなかった。セレンは、As等によるヘムオキシゲナ-ゼのmRNAのmRNAの誘導生成を抑制した。
3、細胞内鉄結蛋白質を初めて分離精製した。 ^<59>Feをプロ-ブとしたウエスタンブロッティング法により、ラット肝臓上清より熱処理、硫安処理、DEAEセファデックス・メタルキレ-トセファロ-ズカラムクロマトグラフ法を経てほゞ均一に精製した。分子量はSDSーPAGE法により1万7千で、精製倍率1,800倍、収率5.7%でミクロソ-ム画分に存在した。この蛋白質への鉄の結合は、Cu、Zm、Coでは影響を受けなかったが、Al^<3+>、Ni^<2+>によって阻害されることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 古川 高子: "ラット肝臓からの鉄結合蛋白質の精製と性質" 生化学. 62. 651 (1990)

  • [文献書誌] Taketani Shigeru: "Selenium antagonizes the induction of human heme oxygenase by arsenite and cadmium ions" Biochemistry lnternational. (1991)

  • [文献書誌] Furukawa Takako: "A newly identified ironーbinding protein in rat liver.Characterization,purification,properties and intracellular localization." J.Biological Chemistry.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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