研究課題/領域番号 |
02454206
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
徳永 力雄 関西医科大学, 医学部・衛生学, 教授 (40121959)
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研究分担者 |
古川 高子 関西医科大学, 医学部・衛生学, 助手 (00221557)
竹谷 茂 関西医科大学, 医学部・衛生学, 講師 (20121949)
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キーワード | 鉄結合蛋白質 / トランスフェリン鉄 / アルミニウム / フレンド細胞 / K562 / デスフェリオキサミン / DNA合成 / リボヌクレオチド還元酵素 |
研究概要 |
1、前年にラット肝臓より分離精製した細胞内鉄結合蛋白質(IBP)の性質を検討した。分子量は1万6千で、一分子当り0.43モルの鉄と結合し解離定数(Kd)は3.5×10^<ー6>M、Al^<3+>で強くNi^<2+>で弱く鉄と結合が阻害された。肝がん細胞(H35)及びFriend細胞を用いた細胞内とり込み実験によりクエン酸鉄は細胞内でその約10%が、またトランスフェリン鉄は約2%がIBPと結合していること、フレンド細胞の分化につれてIBP結合鉄の量が減少しIBPが細胞の増殖と関係があること、が判明した。 2、鉄と細胞増殖の関係を明らかにするために、細胞内外の鉄の供給と鉄プ-ルを変化させた条件においてヒト白血球細胞K562の増殖・DNA合成・リボヌクレオチド還元酵素活性を測定した。鉄キレ-タ-(デスフェリオキサミン)はK562の細胞増殖・DNA合成・リボヌクレオチド還元酵素(RR)活性を阻害した。トランスフェリンの細胞への取り込みを阻害する抗体42/6もDNA合成・RR活性を低下させたが、42/6と鉄ニトリロ酢酸の共存によりこの低下は回復した。トランスフェリンの取り込みを阻害しない抗体5E9は、DNA合成およびRR活性に影響を与えなかった。これらの事実は、鉄はDNA合成に必須な金属であり、DNA合成に関与する含鉄酵素であるRRはトランスフェリン鉄の受容蛋白質であることを示している。 3、IBPのアミノ酸分析、抗体の作成、遺伝子のクロ-ニングは現在研究継続中である。 4、亜鉛の細胞内取り込みに関する実験は実施できなかった。
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