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1990 年度 実績報告書

高齢化社会での脳卒中・虚血性心疾患の発症予防を目的とした新しい危険因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 02454209
研究機関筑波大学

研究代表者

嶋本 喬  筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50143178)

研究分担者 小西 正光  国立循環器病センター, 集団検診部, 部長
磯 博康  筑波大学, 社会医学系, 講師 (50223053)
小池 和子  筑波大学, 社会医学系, 講師 (60110508)
小町 喜男  大阪府立公衆衛生研究所, 所長 (50134242)
キーワードフィブリノ-ゲン / 脂肪酸 / 脳梗塞 / 虚血性心疾患 / 喫煙 / 魚介類摂取
研究概要

近年、脳梗塞、虚血性心疾患の発症要因として、血管壁の硬化のみでなく、血液の凝固・線溶系が注目されている。本研究は都市3集団、農村3集団の40才以上男女を対象とする疫学研究により、血中の脂肪酸組成及び血漿中のフィブリノ-ゲンが当該疾患の発症に及ぼす影響、さらには血漿中のフィブリノ-ゲン値と食生活等の環境因子や身体因子、遺伝因子との関連を明らかにしようとするものである。
本年は各集団で血漿フィブリノ-ゲン値の測定を行い、血漿フィブリノ-ゲン値に影響を及ぼす諸要因を検討した。まず、大阪の都市3集団(近郊住民および事務系、現業系企業従事者)2,403名の検討成績では、血漿フィブリノ-ゲン値は(1)男女とも加令とともに高くなる、(2)女子は男子に比し高値を示す、(3)喫煙者は非喫煙者に比し高値を示す、(4)魚介類の摂取頻度が高い群は低い群に比し高値を示すことが認められた。
また、米国ミネソタの白人、日系米人、我国の東北農村、大阪事務系企業従業員の男子40〜49才について、30人ずつを抽出調査して比較した成績では、米国2集団は我国の2集団に比し、血漿フィブリノ-ゲンは高値を示しており、このことは喫煙の影響を補正しても変わらなかった。
以上より、欧米に比較して魚介類の摂取量の多いわが国の食生活環境においては、血漿フィブリノ-ゲンは低値を示す傾向にあり、このことが血液凝固を抑制し、脳梗塞、虚血性心疾患の発症に抑制的に働く可能性のあることが示唆された。血漿フィブリノ-ゲン、血清中脂脂酸組成が脳梗塞、虚血性心疾患の発症を実際に抑制しているか否かは、今後の追跡調査により明らかにする予定である。
そのための血清保存、脳卒中、虚血性心疾患の発症調査を継続実施中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroyasu Iso,et al: "Hemastatic Variables in Japanese and Caucasian Men Plasma Fibrinogen,Factor VIIc,Factor VIIIc and Von Willebrand Factor and their Relations to Cardiovasunlar Disease Risk Factors" American Journal of Epidemiology. 130. 925-934 (1989)

  • [文献書誌] 佐藤 真一他: "循環器疾患のリスクファクタ-としての血漿フィブリノ-ゲン値に関する疫学的研究(第1報)ー都市住民における検討ー" 日本公衆衛生雑誌. 37. 139 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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