研究課題/領域番号 |
02454210
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
豊嶋 英明 新潟大学, 医学部, 教授 (10023657)
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研究分担者 |
船崎 俊一 新潟大学, 医学部, 助手 (10219082)
宮西 邦夫 新潟大学, 医学部, 助手 (70018836)
林 千治 新潟大学, 医学部, 助教授 (60198843)
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キーワード | 禁煙・禁酒 / βカロチン / 過酸化脂質 / レチノ-ル / トコフェロ-ル / 経時変化 |
研究概要 |
禁煙・禁酒により血中のβカロチン(単位μg/dl)、レチノ-ル(同)、トコフェロ-ル(同)、過酸化脂質(nmol/ml)濃度がたどる経時的変化を知るために、喫煙、飲酒習慣を持つ20〜33歳の健康男子24名を禁煙群(7名)、禁酒群(2名)、禁煙・禁酒群(8名)、喫煙・飲酒を継続する群(7名)に割り付け、実行開始後2週、4週目、並びに解除後4週目に於けるこれらの測定値を群間で比較した。対照群に両習慣の無い者7名を設定した。βカロチンについては摂取量の影響を考慮するため、連続2日間の摂取量を実行開始前と、4週後に調査した。実行開始前では、対照群のβカロチン濃度の平均値31.5±16.4に比べ、両習慣のある24名の平均値11.7±6.8は有意(P<0.05)に低く、各群別では禁煙群の15.4は低めであり、禁酒群の5.1と禁煙・禁酒群の12.2、並びに継続群の9.4は有意に低かった(一元配置分散分析P<0.005,Scheffeの級間比較P<0.05)。実行開始4週後には禁煙群、禁酒群、禁煙・禁酒群のβカロチンの平均濃度は最も高い値を示し、解除後4週目では減少した。この時間変化は有意であったが、継続群では有意な時間変化を示さなかった。(一元配置分散分析と級間比較)。禁煙禁酒実行群全体(17名)と継続群の開始前でのβカロチン平均濃度は各々12.7±7.0と9.4±6.2で有意差はなく、4週後では29.9±15.4と16.0±13.0で有意差を認めた。βカロチン摂取量と血清濃度の間、並びに各々の変化量の間には有意な相関は認められなかった。過酸化脂質濃度の平均値は喫煙・飲酒習慣の無い群では2.5±0.5,両習慣のある群では2.9±0.7であり両群間には有意差は無く、又、継続群、実行群ともに有意な時間変化を示さなかった。レチノ-ル、トコフェロ-ル濃度も対照群と喫煙飲酒群、並びに継続群と実行群の間で有意差は認められなかった。以上より、禁煙、禁酒によりβカロチン濃度においてのみ上昇傾向が認められた。
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