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1990 年度 実績報告書

地域における高齢者の健康的な日常生活を阻害する要因の解明とその対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454211
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

上島 弘嗣  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)

研究分担者 喜多 義邦  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
山川 正信  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70110567)
岡山 明  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60169159)
キーワード老人福祉・保健 / 生活の質(QOL) / 老化 / 日常生活動作能力(ADL) / 生活の満足度 / 要介護 / 自立
研究概要

高齢者に対する適切な保健・医療・福祉施策のあり方を考え,生活の質(QOL)の向上を図るための基礎資料を得る目的で,滋賀県安土町の全老人(65才以上)の訪問悉皆調査を計画し,本年度はO地区311名(対象348名)の訪問を行った.訪問できなかった者37名の内訳は拒否22名,入院中8名,不在その他7名であった.
調査内容は本人の属性,家族状況,病歴,健康状態,日常生活状況,望むこと,趣味や仕事,生活の満足度,長谷川式簡易知能評価等80項目および訪問時に行った血圧測定であるが,今回は311名の訪問者について,13項目の日常生活動作能力(ADL)および生活の満足度について検討した.その結果,以下のような知見が得られた.
1)在宅者では,用便や着脱衣および入浴など全体として自立度の高いADLでは,年齢との間に有意な関係は認められなかった.しかし,比較的動きの大きな移動や視力・聴力・判断力を必要とする項目には加齢による自立度の低下が認められた.2)現在の生活に対する満足度には年齢による違いはなかった.3)生活の満足度別に各ADL項目の自立度を比較すると,食事,用便,入浴,食事の支度,電話の使用の自立度には生活の満足度による違いは認められなかったが,これら以外の移動やコミュニケ-ションに関するADLの自立度は,生活の満足度によって有意な差が認められた.4)各ADLについて自立群と要介護群の満足度を比較すると,何れのADLにおいても,自立群の満足度は83〜85%と要介護群に比べて10〜40%高かった.また,5)要介護群の中でも,食事,用便,着脱衣,屋内移動や会話の満足度は38〜44%と他のADLの満足度(60〜77%)に比べて低かった.
以上の結果から,生きていく上での基本的なADLは介護上,注意が向けられているが,衣服の着脱や移動,コミュニケ-ションなどに関しては,適切な介護や援助,理解の不足が考えられた.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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