研究課題/領域番号 |
02454211
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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研究分担者 |
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
山川 正信 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70110567)
岡山 明 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60169159)
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キーワード | 老人 / 生活の質(QOL) / 生きがい(生活のはり) / 生活の満足度 / 日常生活動作能力(ADL) / 健康状態 / 家族関係 / 社会活動 |
研究概要 |
在宅高齢者の生活の質(QOL)の実態を把握すると共に、QOLを障害している要因を明らかにすることを目的に、人口約1万2千人の滋賀県安土町において、満65歳以上の在宅高齢者を対象とした訪問悉皆調査を3ヵ年計画で実施した。 入院・入所中および住民票のみで長期不在者を除く訪問対象者は3年間で1,381名であり、その内の1,289名(拒否5.4%、不在2.5%;訪問率92.1%)について調査することができた。調査最終年度である本年度は、データのクリーニングを行うと共に、昨年は初年度の調査結果(n=311)に基づき、次のような検討を行った。 1)日常生活動作能力(ADL)および生活の満足度、 2)日常生活動作能力(ADL)と生きがい(生活のはり) 3)生きがい(生活のはり)と血圧 4)在宅老人の尿失禁、痴呆の実態 5)生活の満足度と家族関係、社会活動および収入 6)生きがいと家族関係、社会活動および収入 また、本年、2年分のデータ(n=796)を用いて検討し、学会等で報告したテーマと知見の要約は以下の通りである。 7)高齢者の飲酒と健康度および生活活動度の関係…男性は趣味のない者、生きがいのある者で、女性では趣味のある者家族に不満のある者、不安や悩みのある者で、また、家族との交流頻度が多い者、役割をもつ者で飲酒率が高かった。 8)健康状態、ADLと世帯構成の関係…独居および夫婦のみの老人世帯の女性に健康状態のよくない者が多かった。 9)精神状態および社会活動と世帯構成の関係…独居者に生きがいのある者や生活に満足している者が少なく、夫婦世帯とともに健康や収入に対する不安や悩みをもつ者が多くみられた。 10)生きがい(生活のはり)と満足度に影響を及ぼす要因…多くの要因が生活の満足度と関係していたが、特に「健康である」、「家族仲がよい」、「自由に使えるお金に満足している」者に満足している者が多くみられた。「家庭内や地域で役割をもつ」、「近所付き合いがある」、「趣味がある」、「今後やりたいことがある」者に生きがいのある者が多くみられた。 調査項目が約80項目と非常に多岐におよぶため、データ収集中から上記のような検討を行なってきたが、これらの検討結果を踏まえ3ヵ年分の全データを用いた解析計画を検討中である。また、生活の質(QOL)を障害する要因を明らかにすることが本研究の目的であることから、まず、QOLおよび日常生活動作能力(ADL)について、評価項目の検討、さらには評価尺度の作成を試みている。
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