分析用機器として必須である原子吸光分光光度計(自動サンプラ-付)および検体の灰化処理に必要な局所排気装置の設置を終え、習熟運転を開始した。また検体の採集については1980年代の調査地区である仙台市太白区秋保(旧秋保町地区)、新たな調査地区として三重県南勢町および岩手県大迫町内川目地区を調査地区として協力を得た。各地区ことに各家庭の基幹労働力となっている男女(調査への協力が得やすいことから、とりわけ家庭の主婦)最低20名より、特定の行事のない日の丸1日の食事(3食および間食その他すべての食物および飲み水やお茶を含むすべての飲物について、かつ摂取したと同じだけの量:いわゆる陰膳方式)の提供をうけた。得られた検体は朝・昼・夕の3食および間食に大別したのち極力構成食品ごとに区分し、それぞれの食品の重量を測定・記録した。このデ-タは後日食品成分表(4訂版)に記されている分析値を利用して、各個人の1日当り栄養摂取量を算定するのに用いる。次いで全食品を再度一つの容器にまとめ、ホモゲナイザ-を用いて磨砕物を作成し、その重量を求めた。この磨砕物の一部を凍結保存し、後日湿式灰化ののち原子吸光法およびICP法によりカドミウムや鉛を含む各種汚染重金属を測定して、1日当りの摂取量を求める。またこれらの対象者から末梢血および1日尿(またはスポット尿)の提供を受けた。これらの検体は凍結保存して後日重金属の分析を行う。本年度中にはさらに仙台市泉区南光台(旧泉市南光台地区)においても調査を行うことを予定している。
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