研究課題
宮城県下において4箇所の調査を行い計64名(男子15名、女子49名)より、沖縄県下において2箇所の調査を行い計47名(男子14名、女子33名)より、さらに山口県下において1箇所の調査を行い計14名(男子11名、女子3名)を対象に、それぞれ陰膳方式による24時間食事検体(朝・昼・夕の3食およびオヤツなどを摂取したすべての飲食物を、かつ摂取した量だけ容器に取り置いて回収し検体とする)を得た。あわせて被検者の大部分から調査当日に静脈血約15ml、スポット尿20〜50mlおよび前日の24時間尿を採取した。宮城、沖縄、山口県下の男女別の食事検体中のカドミウム量〔幾何平均値μg/日(幾何標準偏差)〕はそれぞれ宮城では32(1.70)と21(1.71)、沖縄では20(1.74)と21(1.97)、また山口では32(1.70)と21(1.71)であった。同様に鉛の1日摂取量〔幾何平均値μg/日(幾何標準偏差)〕は宮城では13(1.73)と14(1.57)、沖縄では10(2.56)と8(2.63)、山口では16(1.59)と18(2.44)であって、一般にカドミウム摂取量の方が鉛摂取量よりも高値を示す傾向にあったが、逆に変動の幅(すなわち幾何標準偏差)は鉛の方が大きい傾向にあった。カドミウム摂取量の大小と鉛摂取量の大小との間には相関はない。カドミウムの最も大きい負荷源は米飯であり、一般に男子の方が女子よりも大きいと期待される。宮城・山口ではこの傾向が確認されたが、沖縄では逆に女子の方が高値を示す傾向が認められた。
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