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1991 年度 実績報告書

石綿代替繊維の発癌性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454214
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

安達 修一  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90129148)

研究分担者 川村 堅  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60204773)
竹本 和夫  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50049764)
キーワード石綿代替繊維 / 石綿 / 中皮腫 / ラジカル / 肺がん
研究概要

石綿代替繊維の経気道肺内投与および腹腔内投与実験は計画にしたがって進行し、肺内投与については前年度報告し、腹腔内投与実験については現在解析中である。両実験系において投与部位や他の遠隔組織にも腫瘍の発生が認められ、検討した石綿代替繊維の催腫瘍性を比較できうる成績が得られる見込みである。
また、石綿を含む繊維状粉じんの発がん機構の一つとして示唆されているDNAの酸化的障害を、guanineのhydroxyl radical付加体である8ーhydroxyー2'ーdeoxyguanosine(8ーOHーdGuo)を指標として検討するため、ク-ロメトリック検出器を付設した高速液体クロマトグラフィ-による高感度検出を試みた。まず、IN VITROの実験として、仔牛胸腺DNAと石綿および石綿代替繊維を種々の条件下で反応させ、生成した8ーOHーdGuoの定量を行った。その結果、石綿では、単独でもDNAに8ーOHーdGuoを生じさせたが、代替繊維ではその能力は低い。H_2O_2の添加は、石綿による8ーOHーdGuo生成を著しく増強したが、代替繊維では増強の傾向はない。しかし、さらにFeSO_4を加えることで、アタパルジャイト,ガラス繊維,チタン酸カリウムウィスカ-,メタリン酸塩ポリマ-による8ーOHーdGuo生成は石綿よりも増強された。また逆に、石綿とH_2O_2の系へのEDTAの添加では、石綿で生成が増強された。hydroxyl radical scavengerであるマンニットによる影響は小さい。したがって、石綿にはDNAを傷害しpoint mutationの原因となる8ーOHーdGuoを生成する能力があり、ある種の代替繊維も条件によっては石綿と同等の能力のあることが示唆された。現在、さらに実験動物への経気道肺内投与後のIN VIVOでの8ーOHーdGuo生成について検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shuichi Adachi: "Tumorigenicity of fine manーmade fibers after intratracheal administration to hamsters" Environmental Research. 54. 52-73 (1991)

  • [文献書誌] Shuichi Adachi: "Oxidative damage on DNA induced by asbestos and manーmade fibers in vitro" International Archives of Occupational and Environmental Health. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2014-12-15  

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