研究課題/領域番号 |
02454221
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
粕川 禮司 福島県立医科大学, 第二内科, 教授 (80045632)
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研究分担者 |
宮田 昌之 福島県立医科大学, 第二内科, 助手 (40219788)
菅野 孝 福島県立医科大学, 第二内科, 助手 (60234168)
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キーワード | 肺高血圧症 / IL-1 / TNF / IL-6 / 肺胞マクロファージ / 血管内皮細胞 / 細胞接着 / 抗カルジオリピン抗体 |
研究概要 |
1.モノクロタリン肺高血圧ラットの肺胞マクロファージが産生するIL-1、TNF、IL-6と肺高血圧症発症との関連に関する検討 モノクロタリン1回投与SDラットの4週後に右室重量比RV/LV+Sが、0.45と対照0.29の2倍に増加する。このラットの肺胞マクロファージはIL-1 0.65u/ml(対照0.01)、TNF9.58mμ/ml(0.23)、IL-6 4.88u/mlとサイトカインの増加を示した。ラット肺マクロファージの培養上清は血管内皮細胞の増殖を抑制した。ヒトIL-1とIL-6とはラット肺fibroblastの^3H-サイミジンのとり込み増加を示した。しかし、これらのサイトカインは血管内皮細胞の増殖に影響を及ぼさなかった。以上の結果から、IL-1、TNF、IL-6は血管内皮細胞に対し、直接的作用は示さないが、fibloblastの増殖をもたらし、間接的に肺高血圧症の増悪に関与することが考えられた。 2.血管内皮細胞とリンパ球との接着に及ぼすサイトカイン、抗カルジオリピン抗体の影響 ヒト血管内皮細胞の培養細胞^<51>Cr標識健常人ヒトT細胞5×10^5個/wellを加え、付着T細胞の数をγ-カウントで求めた。この後に患者血清を希釈して加え、付着の変化を観察した。健常ヒト血清添加時の付着を100%とすると混合性結合組織病13例の平均139%、全身性エリテマトーデス11例122%、慢性関節リウマチ138%と付着の増加が認められた。血清中の付着増強因子はゲル濾過の結果からIgMとIgGとの間の分画アルブミンより低分子分画に含まれることが認められた。また、抗カルジオリピン抗体の有無により付着差が認められないことから、T細胞の血管内皮細胞への付着に抗カルジオリピン抗体は関係しないと考えられた。
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