研究概要 |
1.肺高血圧を有する膠原病患者23例につき、抗カルジオリピン抗体陽性12例中、10例は肺動脈圧中間圧が25mmHg以上であった。一方、抗体陰性11例中1例のみが、25mmHg以上の圧を示した。 2.肺高血圧陽性の混合性結合組織病患者5例の血清中von Willebrand因子抗原の平均値は261.8%と非合併例21例の146.1%および健常人の100%より高値であった。慢性関節リウマチにおいても、血管炎のある例(7例)での抗原は369.3%となし例(37例)の169.4%より高値であった。 3.抗nRNP抗体ないしは抗カルジオリピン抗体陽性膠原病患者血清中には培養血管内皮細胞に結合するIgGが認められた。 4.抗nRNP抗体陽性混合性結合組織病患者血清中には、培養ヒト血管内皮細胞と健常ヒトT細胞との接着を亢進させる因子の存在が認められた。この因子はIgMとIgGの中間画分およびアルブミンより低分子画分に認められ、抗nRNP抗体や抗カルジオリピン抗体とは異なる物質と考えられた。 5.モノクロタリン誘発肺高血圧ラットの肺胞マクロファージの培養上清は培養ヒト血管内皮細胞の増殖を抑制した。この上清中にはIL-1(0.65u/ml,対照0.01)TNF(9.58mu/ml,対照0.23),IL-6(4.88u/ml)の産生亢進が認められた。 6.ヒトIL-1,TNF,IL-6は培養ヒト血管内皮細胞の増殖に影響を及ぼさなかったが、ラット肺fibroblastの増殖を亢進させた。
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