研究課題/領域番号 |
02454241
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福地 義之助 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80010156)
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研究分担者 |
長瀬 隆英 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
松瀬 健 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90199795)
石田 喜義 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90184530)
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キーワード | 嚥下誘発テスト / 気管内塩酸注入モデル / 嚥下性肺疾患 / 肺胞マクロファ-ジ / TNF |
研究概要 |
嚥下誘発テスト(SPT)の臨床応用について検査法としての問題点を検討した。生理食塩水、蒸留水、高張食塩水、高張ブドウ糖液を試みた中で、被検者の不快が最も少なく安定した反応が得られたのは蒸留水であった。注入量は0.2、0.4、0.6、0.8、1.0mlを用いたが、0.2より1.0mlまで注入後から嚥下誘発までの潜時は用量反応的に漸次短縮した。0.4〜0.6mlが至適注入量であることが判明した。潜時は背臥位及び20度頭部挙上位で最長で、60度頭部挙上位で最短であった。比較的健常な老年者13名と若年者22名について潜時を背臥位で比較したところ0.4〜1.0mlのいずれの注入量においても老年者の潜時は若年者より延長していた。両者の差は注入量が少ないほど著しかった。嚥下性障害を呈する例は脳卒中後遺症などで多くみられるが、変性疾患でも様々のパタ-ンの嚥下障害がみられた。吸入時の抑制が嚥下誘発後に適切に維持されるか否かが、重要な意義を持つ可能性が示された。嚥下性肺炎のリスクはSPTにおける潜時が4.3秒以上に延長しているときに大きくなることが明らかにされ、SPTを用いて高いリスク患者を検知できることが可能であると考えられる。 2.誤嚥に続発する肺炎や細気管支炎の際に喘鳴を高率に生じることは広く観察されている。ラット気管内にHc1を注入した後にメサコリンによる気道過敏性を検索したところ、肺抵抗が有意に増大していることが示された。この反応は一過性で数時間でHc1注入前値に回復する。 3.ラットに喫煙負荷を行い、BALにより肺胞マクロファ-ジを得て、そのTNF産生能を検討した。エンドトキシン刺激時のマクロファ-ジのTNF産生は、タバコ喫煙により有意に抑制された。INVITROの系でもタバコ煙抽出液により肺胞マクロファ-ジのTNF産生の有意の減少が観察された。
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