• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

心筋拡張障害と細胞内遊離Ca^<2+>動態ーindoー1を用いての検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 02454254
研究機関東京大学

研究代表者

芹澤 剛  東京大学, 医学部(病), 講師 (90143429)

研究分担者 絹川 弘一郎  東京大学, 医学部附属病院, 医員
松井 浩  東京大学, 医学部附属病院, 医員
池ノ内 浩  東京大学, 医学部附属病院, 医員
河本 修身  東京大学, 医学部附属病院, 医員
百村 伸一  東京大学, 医学部(病), 助手 (10190985)
キーワード細胞内Ca^<++> / Indo^<-1> / アンギオテンシンII / パゾプレッシン / 細胞内pH / 培養心筋細胞
研究概要

この研究計画期間内に心不全における血管作動性物質特にangiotensinIIの心筋に対する直接作用がその予後に極めて重要な役割をしていることが、欧米の心臓病の研究者の間で注目されるようになった。そして現在ではアンギオテニシン変換酵素阻害薬が心不全の治療に効果のあることが広く受け入れられ、日常の診療に変化をもたらした。しかしながら細胞レベルにおける作用機序については不明な点が多い。そこで当初の目的に沿って、血管作動物質がどのように直接心筋に影響(特にカルシウム動態について)を与えるかについて検討した。これまでの知見は血管平滑筋細胞におけるものが、心筋細胞についても当てはまるものとの前提に基づく類推によって、angiotenisinII(ANGII)、vasopressin(VP)、endothelin(ET)などは心筋細胞内のカルシウム濃度を上昇させ強心作用を発揮するのではないかと考えられてきた。
心筋細胞カルシウム濃度と細胞収縮の同時測定し、ANGII、VP、ETの影響を観察したところ、細胞内カルシウム濃度は予想に反して上昇せず逆に減少した、収縮についてはその発達段階によって反応が異なっていた。つまり胚あるいは胎児の心筋細胞においてはnegative inotropic effectをadultの心筋細胞についてはpositive inotropic effectを示した。この反応の差異は細胞内カルシウムでは説明されないので、もう一つの収縮性の大きな因子である細胞内pHを検討したところ、positive inotropic effectを示すものでは有意な細胞内pHの上昇が認められた。Protein Kinase Cの活性化に対する反応性が上記のペプチドに対するそれと一致していたことから、従来より知られているNaーH交換機構活性化による細胞内アルカローシスが強心作用のメカニズムであると考えられる。また不全心においてはANGIIの強心作用が失われるとの報告があり、不全心では心筋細胞の幼若化をが生じていると推測され、胎児心筋の知見が不全心に応用できる可能性がある。またANGIIとVPについては非ペプチド拮抗薬が最近合成され心不全における有用性が期待されているが、これらが心筋細胞の受容体を遮断することを培養心筋細胞を用いて証明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ikenouchi H: "The contributions of 〔Ca^<2+>〕i.〔Pi〕i.and pHi to altred diastolic myocyte…" Joumal of clinical Investigation. 88. 55-61 (1991)

  • [文献書誌] Kohmoto O: "Effects of new intravascular contract agents on 〔Ca^<2+>〕i transients and contraction in cultured renticular myocytes." Heart and Vessele. 7. 42-51 (1992)

  • [文献書誌] Matsui H: "Effect of a non-peptide vasoprescin receptor antagonist(OPC-21268) on 〔Ca^<2+>〕i in vaseular and cardiac myocytes." Hypertension. 19. 730-733 (1992)

  • [文献書誌] Kohmoto O: "Variabk effects of endothelin-1 on〔Ca^<2+>〕i transients,pH1 and contraction" American Journal of Physiology. (1993)

  • [文献書誌] Kohmoto O: "OPC-21268:an orally effective,non peptide vasopressin Vi antagonist." Cardiovascular Drug Review. (1993)

  • [文献書誌] Koh-ichiro Kinugawa: "Effect of a nonpeputide angiotensin II receptor antagonist(CV-11974) on 〔Ca^<2+>〕i and cell motion in cultured venar myocytes." European Journal of Pharmacology. (1993)

  • [文献書誌] 河本 修身: "心筋虚血とカルシウム" 朝倉書店,

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi