研究課題/領域番号 |
02454258
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究分担者 |
深田 英利 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20211518)
中島 茂 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80172310)
水重 克文 香川医科医学, 医学部, 助手 (90166009)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70145051)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30145049)
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キーワード | 超音波ドプラ-法 / 冠動脈狭窄 / 冠循環 / 狭心症 |
研究概要 |
本研究の目的は、超音波ドプラ-心エコ-法により冠動脈像と冠血流速度を計測し、非侵襲的に冠動脈病変の診断と重症度評価を行うことである。 経胸壁アプロ-チによる検討:(1)左冠動脈主幹部(LMT)の描出は経胸壁アプロ-チを用いても比較的容易である。そこで、まずMモ-ド心エコ-法によるLMT径の計測精度を冠動脈造影法との対比により検討した。その結果、両法の計測値は有意な相関(γ=0.58,p<0.01)は示したが、その精度は満足すべきものではないと考えられた。一方、ニトログリセリン(NTG)投与でLMTを拡張させ、その拡張率を両法で計測・対比してみたところ、良好な相関(γ=0.89,p<0.01)が得られた。したがって、LMTの拡張・収縮率を評価するには、Mモ-ド心エコ-法は十分に有用であると思われた。(2)血管攣縮性狭心症においてはスパスムを生じる部位以外の冠動脈もト-ヌスが亢進し、したがってNTGによってより拡張することが報告されている。そこで、血管攣縮性狭心症でNTGを投与してLMTの拡張率をMモ-ド心エコ-法で計測したところ、疾患例では正常例と比べ拡張の程度が大きく、拡張率17%以上を陽性とすると診断感度は83%、特異性は100%であった。この結果は、Mモ-ド心エコ-法により本症の非侵襲的診断が可能であることを示している。 経食道アプロ-チによる検討:(1)左冠動脈狭窄病変例では、パルスドプラ-モ-ドによる計測で、狭窄部にほぼ一致して冠動脈血流速度が増大することが観察された。左前下行枝(LAD)病変例21例での検討では、10例にこの様な所見が得られ、血流計測による狭窄の定性的診断が可能であった。一方、左冠動主幹部(LMT)病変は5例中1例でのみ同様な狭窄診断が可能であった。(2)断層心エコ-法により描出した冠動脈像からは、LMT病変5例中3例で狭窄を診断しえたが、LAD病変は21例中診断可能であったのは1例のみであった。
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