研究課題/領域番号 |
02454260
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石井 當男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90010363)
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研究分担者 |
高木 信嘉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10163172)
後藤 英司 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30153753)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00128589)
吉岡 正則 摂南大学, 薬学部, 教授 (30012652)
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キーワード | アデノシン / 微量測定 / 腎糸球体 / アデノシンA_1受容体 / アデノシンA_2受容体 / 心筋虚血 / cAMP産生調節 / 5'ーNーethylーcarboxamide adenosine(NECA) |
研究概要 |
1)アデノシン微量測定法の開発 アデニン類化合物をプロモアルデヒトと反応させ、複合体が発する蛍光を用いてアデニン類化合物を測定する方法は、アデニン類化合物の微量測定を可能にしたが、除蛋白等の前処理を必要とし、その間にアデニン類化合物の分解を招くことが難点であった。共同研究者の吉岡らはこの欠点を克服するため、血液検体を前処理することなく測定装置に注入し、全血についてのアデノシンを含むアデニン類化合物測定法の改良を試みた。測定法の改良にはpore size 40μmのプレカラム、Hitachi陰イオン交換ゲルカラム3013ーNおよびHitachiゲル3013ーNカラムが適していることが判明した。 2)腎糸球体におけるアデノシンA_1およびA_2受容体の検討 アデノシンはA_1,A_2受容体を介し糸球体収縮、レニン分泌、Na・水代謝に関与している可能性がある。A_1受容体はcAMP産生を抑制するが、A_2受容体はcAMP産生を増加させることが知られている。高濃度でA_2刺激作用を、低濃度でA_1刺激作用をもつNECA(5'ーNーethylーcarboxamideーadenosine)を用い、ラット単離糸球体のcAMP産生能を検討した。その結果ラット糸球体にはA_1およびA_2受容体が存在し、cAMP産生調節に関与していることが判明した。 3)ヒト尿中アデノシン測定法の検討 ヒト血液中アデノシンの分解半減期は1〜2秒と極めて敏速である。これに対し尿中アデノシンは比較的安定である。三塩化酢酸による除蛋白とジピリダ-モ-ルの添加により高い再現性を示すことが判明した。 4)心筋虚血とアデノシン分泌の検討 実験的心筋虚血はアデノシンの著明な遊離をもたらすことが判明した。その意義ならびに臨床の応用を試みている。
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