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1992 年度 実績報告書

動脈硬化病変形成に対するアンジオテンシンとキニンの相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454264
研究機関福岡大学

研究代表者

荒川 規矩男  福岡大学, 医学部, 教授 (90078783)

研究分担者 笹栗 学  福岡大学, 医学部, 講師 (00178675)
出石 宗仁  福岡大学, 医学部, 講師 (20131807)
キーワードアンジオテンシン / ブラジキニン / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 / 増殖因子
研究概要

1.ブタ大動脈より内皮(擦過去)及び平滑筋細胞(explant法)を得て、細胞内Ca^<++>、c-fos発現、増殖能に対するアンジオテンシンIIとブラジキニンの影響について検討した。
Fura-2を負荷した浮遊細胞にアンジオテンシンIIまたはブラジキニンを添加すると平滑筋細胞では細胞内Ca^<++>の上昇が見られた。アンジオテンシンIIとブラジキニンの作用は互いに干渉することなく別個の経路を経ていると考えられた。今回得られた内皮細胞はキニンに対する感受性が無く、内皮細胞の共存下でのキニン前処置の影響は観察することは出来なかった。アンジオテンシン2とブラジキニンはいずれも平滑筋細胞のc-fos発現を促進した。現在内皮細胞の共存下での平滑筋細胞c-fos発現への影響を調べるため、キニン感受性の内皮細胞を探索中である。
2.ブタ大動脈内皮細胞由来の平滑筋細胞増殖促進活性について
ブタ大動脈平滑筋細胞の増殖(DNA合成)は内皮細胞との共培養で促進された。内皮細胞の培養上清にも同様の活性が認められ、これは熱処理で完全に、またトリプシン処理により部分的に失活した。濾過膜により分子量は50-100KDaと推定され、既知の増殖因子とは異なることが示唆された。
3.アンジオテンシンIIとキニンの相互作用に関する臨床的解明
試験管内や動物実験により諸種のセリンプロテアーゼがpHの違いによりアンジオテンシンIIとキニンを作り分けることを発見したがヒトにおいてその作動は証明されていなかった。今回、閉塞性動脈硬化症患者の運動負荷に際して、セリンプロテアーゼ阻害薬を前投与したところ血行動態の改善が得られ、末梢の虚血による酸性条件下でセリンプロテアーゼによりアンジオテンシンIIが産生され血行動態の増悪に関与していたことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Noda,M.Sasaguri,M.Ideishi,M.Ikeda,K.Arakawa: "Role of locally formed angiotensin II and bradykinin in the reduction of myocardial infarct size in dogs" Cardiovascular Research. 27. (1993)

  • [文献書誌] Y.Urabe,M.Ideishi,M.Sasaguri,M.Ikeda,K.Arakawa: "Angiotensin II forming activity of vascular endothelial and smooth muscle cells" American Journal of Cardiology. 72. (1993)

  • [文献書誌] M.Ideishi,K.Noda,M.Sasaguri,M.Ikeda,K.Arakawa: "Angiotensin II forming activity of vascular endothelial and smooth muscle cells" Artery. 20. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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