研究課題/領域番号 |
02454271
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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研究分担者 |
杉野 茂人 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60226446)
猪山 賢一 熊本大学, 医学部, 助教授 (10040536)
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キーワード | Duchenne型筋ジストロフィ- / ジストロフィン / 抗ジストロフィン抗体 / 免疫組織化学 / 免疫電気泳動 / シナプス |
研究概要 |
Duchenne型筋ジストロフィ-症(DMD)の発症機構について新しい知見を得る事を目的に研究を行ってきた。この研究を進めるに当たり、1987年Hoffmanらにより報告されたDMDおよびmdx miceにおける欠損蛋白ジストロフィンの生理機能を明らかにすることが最も重要であるとの考えに立ち、まず5種類の抗ジストロフィン抗体を用いて生理的な分布状態を検討した。免疫組織化学的にジストロフィンは大きく分けると次の2つの組織群:(1)骨格筋、心筋、平滑筋などの収縮機能を持つもの、(2)中枢神経系ニュ-ロン、グリア細胞、網膜のシナプスなどの神経細胞とシナプス、に存在することが分かった。このことは抗ジストロフィン抗体を用いた免疫電気泳動的検討によっても立証されジストロフィンが神経系、シナプスでおそらく刺激伝導系に重要な働きを持つことが推測されるに至った。以上の研究から私達はDMDにおいて動脈系の平滑筋組織のジストロフィン欠損と血管における刺激伝導系の機能不全の可能性をとりあげ末梢循環の改善が本症治療に必要であると報告した。一方診断技術の普及を図るためにDr.Hoffmanから供給を受けたプラスミドを用い蛋白を精製した後30kd、60kdの抗ジストロフィン抗体の作成に成功し今後、日本の研究者に十分供給できることになった。なお女性DMD患者の発症機構についてVan Ommen教授(オランダ・ライデン大学)との共同研究を昨年11月より開始し、in situ hybridizationやPCRを用いた研究を長崎大学・新川教授との共同で進めているところである。
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