研究分担者 |
阪井 利幸 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10175359)
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (80118033)
嶋 緑倫 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30162663)
西野 正人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60164571)
高橋 幸博 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (60142379)
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研究概要 |
1 vWDのvWF遺伝子RFLPの解析:正常vWF遺伝子のTaq I断片をvWF cーDNAプロ-ベ(3端フラグメント;Xmn IーSac I,3.3kb)で観察すると0.5ーー12Kbの12ーー13本の断片が認められ、3.3kb2.6kb断片がRFLPを示し、その出現頻度は50%ずつでヘテロ接合体は40%であった。vWDのType I 3例、Type IIA 4例、Type IIB 1例、Type IIC 1例での検討ではヘテロ接合体は65%に認められ、家系内分析が可能と考えられた。Sac I,Bgl II,Xba I,BamH Iではヘテロ接合体の頻度は50%以下であった。これらの制限酵素によるvWD患者のvWF遺伝子切断片をcーDNAにて観察するとその出現パタ-ンは正常vWFのそれと同様でvWD IIA,IIBおよびIICではvWF遺伝子の大きな遺伝子欠損はないことが示唆された。2 VNTR(Variable Number of Tandem Repeat)による家系内遺伝解析:vWF遺伝子のイントロン40に存在するVNTRを2本のプライマ-(vWFIIー5,vWFIIー3;Nucl.Aci.Res.vol.18,4957,1989)をもちいて、PCR増幅を行い検討した。正常日本人10名中7名VNTRのヘテロ接合体が認められた。vWD患者においても10名中7名にヘテロ接合体を認め、RFLPsで解析不可能なvWD家系でも遺伝診断が可能であった。3 i.GpIb結合;リストセチン・ボトロセチンによるvWFのGpIb結合能はvWDType IIB,IID,IIEではよく相関するもIIA,IIC,IIFでは両者解離が見られた。ii.コラ-ゲン結合:vWD Type IではvWE抗原量に比例、IIA,IIB,IICでは著しく低く、また正常低重合vWFでも同様に低下することよりvWF重合とコラ-ゲン結合は併行することが示唆された。iii.第VIII因子結合:vWD各病型とも正常vWFと同等の結合能が見られた。高重合,低重合vWFの比較でも差が認められず,vWF重合は第VIII因子結合に影響を及ぼさないことが考えられた。
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