研究分担者 |
稲山 誠一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (30051030)
色田 幹雄 放射線医学総合研究所, 薬理化学研究部, 部長 (00162579)
大原 弘 放射線医学総合研究所, 障害基礎研究部, 室長 (20160608)
坪井 篤 放射線医学総合研究所, 障害基礎研究部, 室長 (30163869)
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 室長 (00159526)
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研究概要 |
本研究班は,各共同研究交者がそれそれ別の防護物質の組織修復機構を明らかにすることを目標として研究を行っている。 (1)サイトカイン誘導物質であるokー432を,マウスの全身照射3時間後に1回腹腔内投与すると,CFUc,CFUーM,白血球数,血小板は,有意に回復が速進し,生存率も向上した。DRFは1.15であった。Lactobacillus caseiは,全身照射マウスの被曝6時間後に1回腹腔口内投与すると,CFuc,白血球の早期回復が認められ,生存率も向上した。(2)インタチロイキンジリ-ズのうちILー1をマウスの全身照射後に投与すると,生存率は向上し,CFUc,CFUsの回復は速進する。本剤の単独投与でも効果のあることが判明した。(3)抗癌剤であるベスタチンを,マウスの全身照射3日後に投与すると,CFUc,白血球,血小板の回復は有意に促進し,生存率も向上したが,DRFは1.06であった。(4)ラジカルスカベンジャ-であるWRー151327を,マウスの全身照射30分前に1回腹腔内投与すると,骨髄障害,腸管障害共に防護され,ガンマ-線照射の際のDRFはそれぞれ1.5ないし2.2であった。しかし中性子線に対する防護効果は1.3ないし1.4と低かった。又Vpー16(エトポシド)をマウスの全身照射1日前に投与すると,骨髄孔を防護する作用のあることが判明した。(5)致死線量照射マウスにokー432を照射3時間後に投与して,腸管のクリプト細胞の変化を観察した。okー432の腸管に対する防護効果は認められなかった。よってokー432の防護作用は,骨髄幹細胞にのみ効果的と考えられた。(6)メチルアミド系合成薬剤(KINー1125,KINー1116,KINー1115,KINー1113,KINー1120)の5種類の薬剤をそれぞれin vitro培養液中に保ったまゝ,V79細胞を培養した。X線照射後のコロニ-形成能では,防護効果を認めなかったが,これら薬剤を長期に接触培養すると,防護効果を示した。
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