研究概要 |
ガン腹膜転移に関しては解明さるべき項目が山積している。研究遅滞の理由として,腹膜転移の適切なモデルを欠くことがあげられたため,研究当初ガン腹膜転移の成立と増殖機序の解明に資するマウスの実験モデルを開発し,それを用いた実験により,転移促進および制御因子のいくつかを明らかにした。^<(1)>同時にこのモデルにおいて腹膜播種に対する集学的研究を行ない転移の抑制効果を題証した。^<(2)> さらに,腹膜播種性転移・再発を予見する臨床的指標の究明のため,臨床例において転移の実態調査を行ない,腹膜播種の性状やそのル-ト,増殖形式に関する基礎的,治療学的諸点を明確にした。 1990年11月,癌転移抑制遺伝子Nm23の構造とmucleosid diphosphate(NDP)キナ-ゼの相関性が判明したが^<(3)>,癌組織内NDPキナ-ゼの発現レベルと転移,再発との関係を検討するため,手術後の長期経過が追跡された乳癌^<(4)(5)>胃癌^<(6)、(7)>,大腸癌症例について抗NDPキナ-ゼ抗体を用いた免疫染色による検索で癌組織内NDPキナ-ゼのレベルと転移再発が逆相関することを証明し更に解析をすすめた 1)Hirayama,R.et al:Lu Jourrnal du Cancer4:241ー,1991, 2)平山廉三他:日外会誌:92(臨時):621ー,1991, 3)平山廉三他:Oncologia:24:131ー,1991 4)Hirayama R,et al:JNCI,83:1249ー,1991 5)平山廉三他:日外会誌 92(癌),99,1991 6)平山廉三他:日消外会誌 24,1516,1991 7)平山廉三他:日本癌学会総会記事 1187,210,1991,
|