研究概要 |
血管吻合法には従来より行われている縫合糸による吻合法が最も一般的に行われている。しかし微小血管の吻合には、手技上の問題点などにより吻合が困難なうえ,その有用性が指摘されている。我々は半導体レ-ザ-による血管及びリンパ管吻合を行い、その有用性と遠隔期の開存性について検討する。 教室の海野はラット腹部大動脈を用い半導体レ-ザ-吻合が縫合糸を用いた手縫い吻合より、開存率及び病理学的な修復機転が優れていることを報告した。平成3年度までの実験において、ラット大腿静脈の半導体レ-ザ-による血管吻合について検討を加えた。さらに半導体レ-ザ-血管吻合の臨床での応用を行った。慢性腎不全患者に血液透析のため前腕に作成される動静脈瘻への吻合術に、本吻合法を5例において臨床応用した。 ラット胸管を用いたリンパ間吻合に関する研究は極めて微小でかつ脆弱なリンパ管での吻合操作である。ラット胸管は極めて細く、その吻合操作は極めて困難な状態である。このため良い結果は得られていない。今後は実験動物として成犬等のやや大型なものを対象とした方が良いと考えている。
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