研究課題/領域番号 |
02454307
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
高松 英夫 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (50142427)
|
研究分担者 |
野口 啓幸 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (80198580)
秋山 洋 鹿児島大学, 医学部附属病院, 教授 (60167856)
|
キーワード | 小腸運動機能 / 小腸移植 / migrating motor complex (MMC) |
研究概要 |
今回移植後の小腸の運動機能の変化についてforceーtransducerを用いたmigrating motor complex(MMC)の観察を行い、移植小腸とrecipient小腸との協調運動の発現の有無などを明らかにすることとした。 (1)まず、実験設備の整備を行なった。従来所有していた記録器では十分な記録が出来なかったため、サ-マルアレイレコ-ダ-を購入した。 (2)雑種成犬の小腸にforceーtransducerを縫着し空腹時のMMCの伝播形態を観察した。縫着術後1週間後にはMMCは十二指腸に出現し回腸末端まで伝播して、正常な蠕動運動が観察された。 (3)次に、雑種成犬の回腸の2〜3血管分節を血管柄付きで切離し、その口・肛門側各1血管分節を切除して外来神経・壁内神経が完全に切断された除神経腸管分節を作成した。その後同所性にマイクロサ-ジャリ-にて血管吻合を行い、自家同所小腸移植モデルを作成した。 (4)この自家同所小腸移植モデルを術後1週間目に開腹し、forceーtransducerを移植小腸の口側正常小腸(2ヵ所)、移植回腸(2ヵ所)、肛門側回腸(1ヵ所)に縫着して、術後1週間目(初回手術から2週間目)からMMCの測定を2週間毎に行なうこととした。初回手術から2週間目ではまだ不規則な収縮が多発し、口側正常小腸から移植小腸へと伝播するMMCは観察できなかった。しかし、その後の長期生存が現在の時点では得られて居らず、より長期の観察は未だ出来ていない。 この実験を継続し、長期生存時のMMCの変化を観察し、更に雑種成犬での自家同所移植からラットを用いた、同系移植実験へと発展させ他家小腸が移植された場合にどう運動するのか、すなわちよりヒトの移植に近い状況での観察が可能になると考えられる。 この研究は未だ実験途中であり、学会誌に発表するに十分なデ-タが得られておらず残念ながら研究発表の段階には至っていない。
|