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1991 年度 実績報告書

本邦で新たに開発された人工赤血球の臨床応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454309
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

元木 良一  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90045617)

研究分担者 三浦 純一  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60209715)
遠藤 幸男  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50191929)
薄場 彰  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00145608)
井上 仁  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90045782)
キーワード人工血液 / ネオレッドセル / 出血性ショック / 循環動態 / 酸素運搬能
研究概要

目的 ネオレッドセル(NRC)はストロ-マフリ-ヘモグロビンをリポゾ-ムに内包した人工赤血球である。本年度は血液変換実験によって循環系への影響と酸素運搬能との検討を目的とした。
方法 体重10〜13kgの雑種成犬8頭を用い、静脈内麻酔下に調節呼吸としてル-ムエアを吸入させ、大腿運動より脱血し、等量のNRC液(ヘモグロビン濃度5.6g/dl)で置換した。交換率88%未満を第I群,88%以上を第II群とし,循環動態及び酸素運搬能を測定した。
成績 (1)血液交換率とヘモグロビン濃度:血液交換率は第I群70±8.1%,第II群90±2.8%,赤血球ヘモグロビン濃度は第I群4.2g/dl,第II群1.3g/dlであった。NRCヘモグロピン濃度は第I群3.2gdl,第II群4.5g/dlであった。
(2)循環動態:血液交換後は両群とも血圧低下をみたが,第I群,第II群間に有意差を認めなかった。心指数は血液変換によって両群とも増加し,交換前値に比して第I群112.8±7.9%,第II群156.1±16.7%であった。全末梢血管抵抗は両群とも低下し,交換前に比し52.2±16.2%,35.3±2.37%であった。
(3)酸素運搬能 ヘモグロビン1g当りの動静脈血酸素含量較差は、第I群で交換前0.27ml/dl/gから0.50ml/dl/gへ,第II群0.16ml/dl/gから0.64ml/dl/gへと両群とも交換後には著るしく増加し,NRCが赤血球より酸素運搬能に優れていることを示した。酸素消費者も両群ともに増加し、とくに第II群では交換前の約2倍に達した。
結語 NRCによる血液交換後には全身の血管低抗が低下し,心拍出量が増加し,循環系に良好な影響を及ぼすことが表示された。またNRCは赤血球を上回る酵素運搬能を有し、酸素消費量を増加させることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] AKIRA,USBA;RYOICHI,MOTOKI et al.: "Effect of neored cells on the canine hemorrhagic shock model" The International Journal of Artificial Organs. 14. 739-744 (1991)

  • [文献書誌] 薄場 彰 ほか: "人工血液ネオレッドセル(NRC)の酸素運搬能と循環系への影響" 人工臓器. 21. 304-308 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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