研究課題/領域番号 |
02454312
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石原 恒夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10051070)
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研究分担者 |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
加藤 良一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00161133)
菊池 功次 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40129408)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051704)
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キーワード | 人工赤血球 / リポソ-ムヘム / 全合成系酸素運搬体 |
研究概要 |
人工赤血球リポソ-ムヘム(L/H)が安全に臨床に用いられるためには1.肺において循環時間内にヘムが十分な酸素と結合し、2.組織において酸素分圧較差によって結合した酸素を放出して還元ヘムとなり、3.L/Hが循環中一定時間崩潰せず酸素運搬体として機能し、4.心、肺、肝、賢等に毒性を示さないことが必要である。今年度は1、2の検索項目を中心に実験を進め、以下に述べる成績を得た。 体重8〜9Kgのビ-グル犬を用い、15ml/Kg(n=2)、30ml/Kg(n=3)を脱血し、脱血量と等量のL/H溶液を静脈内に投与した。投与30分後、血行動態が安定したところで、心拍出量(CO)、HbおよびL/Hの血中濃度、HbおよびL/Hによる酸素運搬量(TO_2ml/min)、HbおよびL/Hからの酸素消費量(VO_2ml/min)、総TO_2の中にに占めるL/HによるTO_2の割合%TO_2、総VO_2の中にに占めるL/HによるVO_2の割合%VO_2を測定し、L/Hの濃度が1mMで心拍出量を1l/minとした時のL/HのTO_2(ml/mM/l)とVO_2(ml/mM/l)を算出した。その成績(平均値)を下記に示す。 以上の実験成績はL/Hが肺で酸素を結合し、組織でこれを放出しているこまを示すものである。またTO_2 VO_2はL/Hの投与量の増加にしたがってま量した。循環動態の変化をみるために、脱血前、脱血直後、L/H注入または生食水注入60分後に心拍数、体血圧、肺動脈圧を測定した。心拍数に大きな変動はなかった。体血圧は平均139または158mmHgであったものが脱血により99または106mmHgに低下したがL/H注入または生食水注入後すぐに脱血前の状態に復した。肺動脈圧も同じ経過をとった。
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