研究課題/領域番号 |
02454316
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛媛大学 (1991) 京都大学 (1990) |
研究代表者 |
小林 展章 愛媛大学, 医学部, 教授 (60135564)
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研究分担者 |
小澤 和恵 京都大学, 医学部, 教授 (00026858)
嶌原 康行 京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
木下 誠一 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (10169906)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | グルタチオン / GSH / GSSG / 腸管うっ血 / autocyto protection / 肝エネルギ-代謝 / 肝再潅流 / サイトカイン |
研究概要 |
還元型グルタチオン(GSH)はスカベンジャ-としてあるいはdetoxicationによってcytoprotectiveに働き、肝のRedox state低下防止に重要な役割を果たし、GSH【double arrow】GSSG(酸化型グルタチオン)の変化は肝におけるRedoxそのものを反映すると考えられる。肝の萎縮過程に関連した肝血流障害モデルをラットを用いて作製し、血流阻害、再潅流後の経時的変化について、グルタチオンと肝エネルギ-代謝のパラメ-タ-を合わせ測定し検討した。1.既存の高速液体クロマトグラフ(HPLC)に全自動サンプルプロセッサ-を装着し、回路を改良することにより、GSH、GSSGのHPLCによる測定法を確立した。2.上腸間膜動脈(SMA)の遮断・再灌流モデル実験では、再灌流後肝GSH、肝汁中のGSHは上昇傾向がみられ、上腸間膜静脈(SMV)中のアミノ酸分析ではコントロ-ルに比し、グリシン、グルタミン酸の上昇がみられた。一方、SMV遮断・再灌流後には、肝組織のグルタチオンは有意の変化を示さず、IVC中GSH、GSSGは遮断10分後には上昇し、再灌流120分後までともに高値を持続し、GSSGがより著明であった。活汁中GSH、GSSGは、SMV遮断にて減少し、再灌流で再上昇した。肝組織中ATP、エネルギ-チャ-ジは、遮断後減少し再灌流10分後に元に復した。肝はGSSGを活外へ排出することで肝組織のGSSG/GSH比を維持していると思われ、GSSGの変化はトランスアミラ-ゼの変化に先行していた。腸管うっ血と、腸管阻血とは、異る機序の存在が示唆されautocyto protectionは、GSH反応系の異った機構が作用する可能性が考えられる。
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