研究課題/領域番号 |
02454320
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
蔵本 新太郎 東邦大学, 医学部, 教授 (50057460)
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研究分担者 |
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講部 (10130345)
中崎 晴弘 東邦大学, 医学部, 助手 (00207747)
木村 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (10009996)
吉雄 敏文 東邦大学, 医学部, 教授 (80057497)
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キーワード | 肝癌 / TNFーα / GMーCSF / ILー2 / ILー6 / autocrine増殖 / サイトカイン療法 |
研究概要 |
(1)昨年は担癌患者血清中における各サイトカインを測定、これらが高値を示し、特にTNFーαは再発時に上昇、予後因子として重要である事等を見出した。このことから癌局所ではより多くのサイトカインが産生され癌細胞の増殖に深く関与していることが予測された。そこで今年は、切除時の肝癌組織および非癌部組織中の各サイトカインを測定し、発癌機構の解明に努めた。各組織は5mlの生食中で細切後ホモゲナイズし、その後超音波破壊しその上清を試料とした。癌部ではTUFーα、GMーCSFが有意に高く、ILー2、ILー6は非癌部が有意に高かった。ILー1α、βはこれらと比較して低値傾向を認めた。以上、癌組織中でTNFーα、GMーCSFが高値を示すことから、これらサイトカインが癌細胞のautocrine増殖と密接に関与している事が示唆された。 (2)さらに肝癌患者の術前術後、TAE前後等で各サイトカイン反応性を検討した。その結果、患者群は健常者群に対して各サイトカイン反応性が低下していること、健常者群にみられるようなサイトカインの濃度依存性の ^3HーTaR摂取率抑制が認められないことなどが判明した。この結果は患者での血清サイトカイン値の上昇が末梢単核球のreceptor異常によって生じ、これが局所での癌増殖を促していることを推測させた。 (3)化学療法、サイトカイン療法の併用を前提として以下の検討をしたところ、末梢単核球に抗癌剤(CDDP、5ーFu)を添加して培養したものが、非添加時よりもサイトカイン反応性が上昇する事がわかった。これは化学療法とサイトカイン療法の併用の有効性を示唆していると思われた。
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