研究課題/領域番号 |
02454325
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古瀬 彰 東京大学, 医学部(病), 教授 (70010163)
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研究分担者 |
竹田 誠 東京大学, 医学部(病), 助手 (10236482)
中島 淳 東京大学, 医学部(病), 助手 (90188954)
マティソン 恵 日本赤十字社総合医療センター, 医員 (20164212)
川内 基裕 東京大学, 医学部(病), 助手 (00152918)
進藤 剛毅 東京大学, 医学部(病), 助教授 (70092244)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 肺移植 / 日本猿 / 異種移植 / FK506 / 胸腔洗浄液 / フローサイトメトリー / 免疫組織染色 / MHC抗原 |
研究概要 |
日本猿を用いて片肺移植実験を行い、以下の結果を得た。平成2年度は、肺移植術後の急性拒絶反応に対する免疫抑制剤FK506の効果について検討した。FK506投与は、術直後から第6病日まで0.5mg/kg、第7病日以後0.15mg/kgを筋肉内注射した。投与群では5〜182日の生存を得た。移植後胸部X線写真所見では、術後1〜2週後に一過性の移植肺陰影増強を認めた後、次第に肺陰影が消失した。移植肺組織所見では、肺血管周囲へのリンパ浸潤はほとんどないか、あってもごく軽度で、、7例中6例の肺が生着したと判断された。FK506非投与群では5〜35日の生存を得たが、術後胸部X線写真所見では第5〜7病日で移植肺の含気が失われ、組織学的にも肺組織は壊死に陥っていた。以上の所見から、ニホンザル左片肺同種移植においては、FK506の単独投与で十分な免疫抑制効果が得られることが確かめられた。平成3年度には肺移植後の拒絶反応の診断法としての、胸腔内洗浄液内リンパ球解析の有用性について実験的検討を行った。胸腔内洗浄液中細胞のCD4陽性率/CD8陽性率は移植肺拒絶時に低下した。胸腔内洗浄液内リンパ球の解析は拒絶反応の診断に有用と考えられた。平成4年度には脾臓ならびに移植肺の免疫組織染色を行い、同種肺移植における変化を検討した。その結果、MHC抗原の発現、B細胞、CD4、CD8陽性細胞の出現が同種移植肺において認められた。MHC抗原の発現は免疫抑制剤使用下においても認められた。CD4、CD8陽性細胞、B細胞の出現は拒絶反応の進行と密接な関係があると考えられた。 本研究を通じて、同種、異種移植肺の拒絶反応時における免疫学的な変化が明らかにされた。
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