研究概要 |
動脈狭窄病変に対するマルチファイバ-を使用した血管形成術 (1) マルチファイバ-システム マルチファシバ-カテ-テルは,コア径80μmの合成石英ファイバ-を同心円状に28本束ねたもので,その中心に0.018inchのガイドワイヤ-を通すチャンネルがある。このマルチファイバ-カテ-テルに,20msショ-トパルスエキシマレ-ザ-の導光を試みたが,入射端面が破損しやすく,出射端で4mJ/Pulse程度の低出力しか得られなかった。ロングパルスエキシマレ-ザ-ではファイバ-入射端の破損が減少し,また出射端で10mJ/pulse,50mJ/mm^2の出力が得られるようになった。 (2)家兎にコレステロ-ル食を負荷し,腸骨動脈領域の狭窄病変を作製した。 (3)マルチファイバ-カテ-テルを狭窄性病変の末梢側まで挿入した。30Hzでレ-ザ-照射を行いながらカテ-テルを押し進めた。造影を行い狭窄性病変の解除を確認した。 対象動脈を摘出し,レ-ザ-によるアテロ-ム蒸散部と光学顕微鏡標本にて観察した。 血管内腔のアテロ-ムは蒸散され,周囲の血管壁の熱損傷はみられなかった。また全例(5羽)に血管窄孔を認めなかった。 今後はエキシマレ-ザ-による血管形成術に関する研究に変更していきたい。
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