研究概要 |
小さなサイズの経食道ドプラ断層探触子の開発とその基本性能の検討Nasogastric tube typeの持続留置用経食道ドプラ断層探触子の開発を目的とし、今日臨床で用いられている市販のNasogastric tube(フジシステムズ10号)と同じサイズ、あるいはそれ以下のサイズの経食道探触子を試みた。5MHz・24素子を持つ径6.8mmの横断面用経食道探触子、同じサイズで32素子を持つ縦断面用経食道探触子、及び同じサイズでそれぞれ24素子の横断面用・縦断面用の2つのtransducerをもつbiーplane経食道探触子の3つの経食道探触子を開発し、その基本性能を検討した。これらの3つの探触子を小児症例にも使えるという意味で小児用経食道探触子と便宜的に呼んでいる。また、更に小さな5MHz・17素子をもつ径4mmの横断面用経食道探触子も開発した。これを我々は新生児にも使えるという意味に於て新生児用経食道探触子と便宜的に呼んでいる。探触子の発生温度・漏れ電流・音響パワ-は従来の基準を満たした。我々は小児用探触子を心臓外科手術モニタ-として35例(VSD:9,TOF:5,PA:3,TGA:3,ASD:1,MR:2,DORV:2,単心室:1,TCRV:2,Ebstein奇形:1,PDA:1,ECD:1,TAPVC:2,CoA:1,Asplenia:1)に用い、新生児用探触子を3例に(CoA,VSD+PS,ECD+PDA)用いて、手術近接期の心機能モニタ-としての経食道心エコ-図の臨床的意義と安全性に関して検討を加えた。対象の年齢は生後2日〜13才、体重2.3〜35kgであった。これらの検討の結果、小児用は8cm迄の空間解像力を有し、3〜35kgの症例で十分な診断情報が得られること、新生児用では4cmの空間解像力を有し、2〜10kgの症例で十分な診断情報が得られること明らかになった。また、今回の検討では最大6時間の持続モニタ-であったが、探触子のサイズの適切な選択により患者に与える悪影響は全く見られなかった。
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