研究概要 |
低体温体外循環法による開心術中の脳循環をモニタリングは重要と考え,我々は中大臓動脈の血流連度を経頭蘆骨的ドップラ-脳血流測定装置(TC2ー64.EME)(以下TCDとする)にて測定し,以下はついて臨床的検討を行っている。 (1)TCDは開心術中の脳循環機能のモニタ-として有用か否か。 (2)種々の低体温下における血液炭酸ガス分圧の変動に対する脳血流速度(量)の変動。 (3)体外循環中,alphaーstat,pHーstat管理のどちらが脳循環機能にとって有利か。 中間結果 現在,TCDおよび体性感覚誘発電位(SEP)を同時側定した開心術症例は15例であり,種々の低性流下にて人工肺内炭酸ガス負荷(pHーStat管理)を行い,体温,pCO_2,脳血流速度(量)の三者間の関係について検討中である。こまれでの最低低体温24℃の範囲中では炭酸ガス負荷に対応した脳血流速度(量)の増加をみとめているが,末だ統計学的分析を行うには資料不足である。低体温下の炭酸ガス負荷による脳血流増加が脳保護的に働くか、血流量過剰により幣害的に働くかは結論を得ていない。しかし,低体温低流量潅流体外循環時にはpHーstat管理が脳保護上有利であると推測している。術後脳傷害例はなかったため,SEPとTCDとの関連性については今後の検討予定とした。
|