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1991 年度 実績報告書

先天性水頭症における脳神経細胞とシナプス形成障害に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454338
研究機関順天堂大学

研究代表者

佐藤 潔  順天堂大学, 医学部, 教授 (10112707)

研究分担者 門田 静明  順天堂大学, 医学部, 助手 (60204517)
須田 喜久夫  順天堂大学, 医学部, 助手 (00206559)
武田 信昭  順天堂大学, 医学部, 助手 (00171645)
新井 一  順天堂大学, 医学部, 講師 (70167229)
キーワード先天性水頭症 / 先天性水頭症ラットHTX / Immunoblotting / 免疫組織化学染色 / tubulin / Tau蛋白 / MAP2
研究概要

先天性水頭症児における神経機能障害の成立機序の解明を目的として私達は先天性水頭症ラットHTXを用いた実験的研究を行い、神経機能障害の成立機序に脳のシナプス結合を中心とした神経回路網の形成障害が大きく関与している可能性を報告してきた。本年度は同様の動物実験モデルを用いて、神経細胞分裂、神経軸索流、神経突起の伸展など脳の神経細胞の動的機能の発現に重要な役割を果たす幾つかの細胞骨格蛋白に注目して以下の実験的研究を行った。即ち、神経細胞の微小管構成蛋白であるtubulin、微小管関連蛋白であるMAP2及びTau蛋白を、各蛋白に対するmonoclonal antibodyを用いたWestern blotiing法と免疫組織化学的手法にて検索し、水頭症の進行がこれらの細胞骨格蛋白の発現にいかなる影響を及ぼすかを検討した。dendrite、axonに存在する微小管の主構成蛋白であるtubulin、また、主としてaxonに存在し微小管を架橋するTau蛋白は水頭症の進行にも関わらず、生後4週齢に至るまで有意の減少をみなかったが、dendriteに存在し、微小管の架橋構造を呈しているMAP2には、3つのsubtypeがあり、そのうちの幼弱型であるMAP2cは生後早期よりその減少を認めた。この知見は細胞骨格蛋白の内でもMAP2cは他の二者と比べ水頭症で障害を受け易いことが示唆されると共に、このMAP2c発現に関する横伝子レベルでの障害が起こっている可能性が推察された。今後はMAP2c及び前年度報告したDrebrinなど水頭症の早期よりその代謝障害が発現する蛋白に関して遺伝子レベルでの研究を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miyazawa T,Sato K et al.: "Learning disability and impairment of synaptogenesis in HTXーrats with arrested shuntーdependent hydrocephalus" Child's Nerv Syst. 7. 121-128 (1991)

  • [文献書誌] Suda K,Sato K et al.: "Plasticity of Brain Development in Congenitally Hydrocephalic HTXーrats with Arrested Shuntー Dependent Hydrocephalus"

  • [文献書誌] Suda K,Sato K et al.: "Developmental Change in SynapseーRelated Proteins(SVPー38 and Drebrin)in Congenitally Hydrocephalic HTXーrat with and without Early Placement of Ventriculoperitoneal Shunt"

  • [文献書誌] 佐藤 潔 他: "水頭輪一基礎と臨床 先天性実験的水頭症モデルの病態" 松本 悟(永井書店),

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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