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1990 年度 実績報告書

馬尾・神経根の障害様式解明に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454340
研究機関旭川医科大学

研究代表者

原田 吉雄  旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40001937)

研究分担者 熱田 裕司  旭川医科大学, 医学部, 助手 (90167924)
平山 隆三  旭川医科大学, 医学部, 講師 (10110644)
竹光 義治  旭川医科大学, 医学部, 教授 (00038663)
キーワードradicular pain / radicular compression / sensory fiber
研究概要

本研究の目的は神経根障害の病態生理において、臨床症状と密接に関連する神経線維レベルでの異常活動様式および構築学的変化の解析を遂行することである。今年度は12頭およびラット20頭を用いて、主に神経根圧迫による神経線維活動様式の記録方法確立と慢性圧迫動態の定量的評価方法確立を行った。フロセン麻酔下に動物の脳幹を切断、さらに脊髄を中部胸髄レベルで切断した後、筋弛緩剤によって非動化した。腰部膨大部と全ての神経根を神経節より遠位の出口まで露出し、パラフィンプ-ルにて37℃に維持した。神経線維レベルでの活動を導出するため微小電極を用いる方法と顕微鏡下に神経線維を分離する方法が試みられたが、記録の安定性の面から後者が優れていることが判明した。この急性条件下においては遠位神経根(後根)の圧迫により発射活動を著明に増大する低伝導速度の知覚線維群が同定され、その活動性は圧迫程度に依存していた。この機械的刺激により誘発された異常神経活動は臨床的に観察される神経根性の痛みと深い関連があると推察された。また神経節部分では特に圧迫に対して異常神経活動発現の閾値が低く、機械的感受性の高いことが確認された。新しい手法として、ラットの脊髄神経根を一塊として採取して、それらの活動性を維持した状態で人工脳脊髄液中に維持するin vitro実験が導入され、化学物質や酸素濃度の変化による活動性変化の解析も容易に行えるようになった。一方、現在まで慢性神経根圧迫による病態を有する動物の作成方法も確立され、それらの一部については神経根活動性の解析が開始された。これらの実験終了後採取した神経根の標本については光学顕微鏡による形態観察が遂行され、いわゆる髄鞘変性と軸索細小化が観察された。In vitro実験と組み合わせて形態観察を進めることにより、障害神経根の修復過程解析も本格的に開始できる準備状態が達成された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 原田 吉雄: "自動脊髄モニタリング(SAFE)の開発と臨床応用" 臨床脳波. 32. 648-653 (1990)

  • [文献書誌] 原田 吉雄: "術中脊髄モニタリングにおけるPitfallsとその対策" 整形災害外科. 34(1). 39-44 (1991)

  • [文献書誌] 原田 吉雄: "電気刺激による筋力強化" 総合リハビリテ-ション. 18. 767-772 (1990)

  • [文献書誌] 魏 新栄: "伝導性脊髄誘発電位に関する実験的研究ー運動路系の関与についてー" 北海道整災誌. 33(2). 1-7 (1990)

  • [文献書誌] 浜田 修: "術中脊髄モニタリングにおけるPitfallとその対策" 脊髄電気診断学. 12(1). 149-152 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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