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1991 年度 実績報告書

24R,25(OH)_2D_3の骨量増加作用の機序の解明と骨代謝疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 02454342
研究機関産業医科大学

研究代表者

中村 利孝  産業医科大学, 医学部, 助教授 (50082235)

研究分担者 中光 紳一  産業医科大学, 医学部, 助手 (00227878)
三島 真一  産業医科大学, 医学部, 講師 (90229683)
キーワード卵巣摘除ビ-グル犬 / 尿中ハイドロキシプロリン / 骨ミネラル / 骨形成率 / 骨吸収 / 24R,25(OH)_2D_3 / 低代謝回転骨 / 閉経後骨粗鬆症
研究概要

ヒトの閉経後骨粗鬆症の動物モデルとして、卵巣摘除ビ-グル犬を用いた。14匹(2〜3才)のビ-グル犬を卵巣摘除(OVX)あるいはsham手術を行い、4群に分けた。第1群はsham,第2群はOVXーcontrol群とした。第3,4群はそれぞれ2,10μg/kgの24R,25(OH)_2D_3をOVX後1カ月より30カ月間投与した。実験期間中は骨代謝マ-カ-として尿中ハイドロキシプロリンを測定した。実験終了後、腸骨,大腿骨,腰椎を採取し評価した。骨ミネラルは単光子吸収法で計測した。腸骨についてメチルメタクリレ-ト包埋を行い、硬組織学的に骨吸収と骨形成を評価した。尿中ハイドロキシプロリンは第2群では卵巣摘除後より増加し術後10カ月間は術前の2〜3倍の高値を持続し、その後減少した。第1群と第3群は術前と同じレベルを維持した。第4群では術前の排泄量より有意に減少した。骨ミネラルは第2群のOVXで第1群の約30%減少した。第3群と第4群では、第1群と同じ程度に維持された。骨組織学的観察では、第2群で未石灰化類骨面が増加し、骨形成率は減少していた。第3群の骨形成率は第1群と同じ程度に維持されていた。第4群では骨形成率が低下するだけでなく、骨吸収面も減少し著しい低代謝回転骨になっていた。以上の実験事実より、卵巣摘除ビ-グル犬では骨吸収の亢進と骨形成の低下が生じ、骨量が減少することが明らかになった。これらの変化はヒトの閉経後骨粗鬆症と極めて類似していた。24R,25(OH)_2D_3は卵巣摘除による骨動態に拮抗し、骨量減少を抑制し得ることが明らかになった。その機序は骨吸収の亢進を抑制し、骨形成の低下を改善する事であった。高投与量の第4群では吸収抑制効果が過剰で低代謝回転骨になっていた。本年度の研究で24R,25(OH)_2D_3が骨粗鬆症治療に利用し得る事が明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toshitaka Nakamura et al.: "Osteonl Remodeling and Mechanical Properties of the Femral Cortex in Rabbits Treated with 24R,25(OH)_2D_3" Calcified Tissue International. 50. 74-79 (1992)

  • [文献書誌] Toshitaka Nakamura et al.: "Increased Bone Volume and Reduced Bone Turnover in Vitamine D Replete Rabbits by the Administration of 24R,25-dihydroxyvitamine D_3" Bone. 13. (1992)

  • [文献書誌] Toshitaka Nakamura: "Reguration of Bone Turnover and Preservation of Bone Mass by 24R,25(OH) D in Ovariectomized Beagles" Calcified Tissue International. 13. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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