| 研究課題/領域番号 |
02454356
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
吉武 潤一 九州大学, 医学部, 教授 (10041386)
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| 研究分担者 |
岡部 廣直 九州大学, 医学部, 助手 (40224050)
谷口 省吾 九州大学, 医学部, 助手 (70179836)
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| キーワード | 酸化還元電位 / 酸化型グルタチオン / 還元型グルタチオン / 動脈血中ケトン体比 / L / P比 / 代謝性アシド-シス / 出血性ショック / 複合臓器不全 |
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| 研究概要 |
前年度の研究において、われわれは複合臓器不全に陥った患者について、細胞レベルの代謝状態や細胞活性をあらわす指標として酸塩基平衡、L/P比、動脈血中ケトン体比(acetoacetate/βーhydroxybutyrate:AKBR)等の指標に加えてMedーTronik社製BEーVincent機器にて血液の酸化環元電位を、京都第一科学社製オズモスタットOMー6020にて血清浸透圧を、そして高速液体クロマトグラフィ-法にて血漿中還元型グルタチオン(GSH)濃度の測定を行ない、各指標と患者の状態や予後との関係について調べた。その結果、各指標とも有意な変動を示したが、その中で動脈血中酸化還元電位が最も良く患者の重症度や予後を示しており、また血清浸透圧や血漿中の還元型グルタチオン濃度の変化も患者の状態をある程度反映していた。これらの結果をふまえ、家兎を使った出血性ショックならびにエンドトキシンショックの実験において上記の測定に加え、新たに酸化型グルタチオン(GSSG)濃度や肝逸脱酵素(ALT)の測定を行ない、重症ショック時の細胞のエネルギ-代謝障害について調べた。その結果、代謝性アシド-シスの進行、高乳酸血症及びL/P比の低下、AKBRの低下、GSH/GSSG比の低下ならびに動脈血酸化還元電位の低下がみられた。このように臨床研究と同様、細胞内redox stateの低下を示す各指標の変動がみられ、この中で動脈血酸化還元電位が最も良くショックの重症度を反映していた。したがって、臨床研究ならびに動物実験で示されたように血液酸化還元電位は細胞内redox stateを反映するといってよく動脈血酸化還元電位を測定することで重症ショック時の細胞内redox stateを評価することができ、患者の重症度及び予後の有用な指標となりうることが臨床研究だけでなく動物実験においても確認された。
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