研究課題/領域番号 |
02454361
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
浅田 章 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047367)
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研究分担者 |
小田 裕 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70214145)
西 信一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20189244)
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キーワード | インドシアニングリーン / 肝不全 / 薬物動態 / 2分画解析 / モーメント解析 |
研究概要 |
ICUにおける肝不全患者を対象にインドシアニングリーン(ICG)の薬物動態を調べた。4例全例で高ビリルビン血症、高アンモニア血症を認め、肝性昏睡II〜III度であった。ICG0.5mg/hgを15秒間かけて静脈内投与し、72時間後まで採血を行い、血中濃度を高速液体クロマトグラフで測定した。得られた値に対しコンパートメント解析およびモーメント解析を行い、ICGの薬物動態を検討した。2分画モデルによる解析ではクリアランスは著明に減少し、分布半減期および排泄半減期は著明に延長した。また、分布容量は末梢分画からの排泄モデルが中枢分画からの排泄モデルよりも大きかった。モーメント解析においても薬物平均滞在時間の延長、分布容量の増大、クリアランスの著明な減少が認められた。またモーメント解析により得られた分布容量は2分画解析の中枢分画からの排泄モデルの分布容量に近似していた。2分画モデルでは通常中枢分画からの排泄モデルが使用されるが、ICGは血管内のみに分布し肝臓のみから排泄されるので健康成人や肝硬変患者では末梢分画からの排泄の2分画モデルに適合し、分布容量は生理学的に測定された循環血漿量に近似したことが報告された。今回の肝不全患者でもICGは2分画モデルに適合したが、クリアランスは著明に低下し分布容量は生理学的血漿量以上に増加した。通常ICGはアレブミンやリボプロテインと強く結合し血管内に分布している。しかし今回の肝不全患者における分布容量の著明な増加は、任蛋白血症による遊離型ICGの増加のためICGが血管外にも分布したことや腹水へのアルブミン結合型ICGの漏出、血管の透過性亢迫によるICGの漏出などに起因すると考えられる。このことから肝不全患者におけるICGの2分画解析では肝臓を末梢分画でなく、中枢分画に過く中枢分画からの排泄モデルが適していると思われる。
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